社会・生活 週刊文春 掲載記事
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泥のカネを受け取っていた
三重県の“全国最年少”知事

元「公務員のカリスマ」

「昨年末、三重県は暴排条例で建設会社『日本土木工業』を指名停止処分にしましたが、その親会社から、かつて鈴木英敬知事がカネを受け取っていたというのです」(地元建設業界関係者)

 処分があったのは十二月中旬。県土整備部によると、「県警から『同社が暴力団と密接な関係があった』との通知があった」ことから、処分に踏み切ることになったという。

「親会社『日本土石工業』は砂利採石製造業で、年商百四十億円を超える地元の大会社。『土木』はその一〇〇%出資の子会社です。異業種の別会社ではありますが、親会社の役員の一部は子会社の役員も兼ねていて、“一心同体”と言える」(前出・建設業界関係者)

 小誌は、親会社「土石」の銀行口座記録を入手。一昨年五月から昨年三月まで、毎月三十万円が、たしかに鈴木知事の個人口座に振り込まれていた。同社・前社長の椋野(むくの)玲史氏(65)はこう答える。

「鈴木氏が衆院選で落選した後、知人から『面倒をみてやってくれないか』という話があり引き受けました。契約書も取り交わしていませんが、顧問料という形で知事選前まで振込を続けました」

 鈴木知事といえば、東大経済学部を卒業後、九八年に経産省入省。安倍政権時代には官邸スタッフとして呼ばれ、「公務員のカリスマ」と称された人物。〇九年の衆院選では現大臣の中川正春氏に敗れたが、昨年の三重県知事選で当選。当時、三十六歳で“全国最年少知事”となった。

 地方紙記者が話す。

「公共事業削減など『ムダを断ち切る』を掲げる改革派。妻はシンクロのメダリストの武田美保。有名人夫妻ということで、地元では若くて派手なイメージがあります」

 だが、暴排条例で処分を受けた関連企業から金銭を受け取っていた事実をどう説明するのか。公舎前で知事を直撃した。すると知事は金銭の受け取りは認めたものの、
「処分されたのは子会社。私が金を受け取った会社とは別会社だから問題ないはずだ」

 と居直ってみせる。だが、県関係者は断言する。

「地元業界では、同じ企業体として認識されています。知事の説明は言い逃れと取られても仕方がない」

 改革派知事として、明確な説明を果たすべきだろう。

「週刊文春」編集部

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2012年3月1日 春の特大号
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鈴木 英敬 | 三重県

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