沖縄県の竹富町教育委員会は22日、4月から町内の中学校で使う東京書籍版の公民教科書22冊分の費用約1万6千円を、町予算から支出せず民間に援助してもらうことを決めた。竹富町など3市町からなる八重山地区では公民教科書の採択結果が一致せず、文部科学省が町に「東京書籍版を使うなら教科書を無償給付できない」と通知していた。
義務教育の教科書代を国費でなく民間に頼るのは、前例のない事態だ。
竹富町では今後4年間、同じ教科書を使う。このため町教委は「民間援助は暫定措置だ」として、引き続き国に無償給付を求めていくことも確認した。慶田盛安三(けだもり・あんぞう)・町教育長は「教科書代を町予算から支払えば簡単だが、それでは国に無償化を求める姿勢と矛盾してしまう」と説明した。