古文書や言い伝えから探る 舞鶴の津波歴史講座
舞鶴を襲った津波の歴史を学ぶ講座が29日、京都府舞鶴市余部下の市中央公民館で開かれた。市文化財保護委員の加藤晃氏(67)が、古文書や言い伝えから津波被害や地震の影響をひもといた。
加藤氏によると、舞鶴に唯一記録の残る大きな津波被害は1741年7月。北海道渡島(おしま)大島の噴火、崩壊による津波が同市沿岸部を襲い、小橋、野原両地区で民家28軒が流された。加藤氏は「舞鶴では高さ1~2メートルとみられる。死者の記録はないが、海岸にいた人は亡くなった可能性がある」と解説した。
その後、舞鶴で大きな津波被害の記録はないが、加藤氏は「舞鶴ではたいした地震も津波もないというのは資料の上でのこと。過去の震源域をたどれば舞鶴近辺は空白域となっているが、日本海側にもプレートの境界はあり、今後地震がないとは言い切れない」と強調。地域に残る津波避難の伝承にも触れて、歴史から学ぶ意義を訴えた。
【 2011年10月30日 09時04分 】
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