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土壌セシウム99.9%除去する新技術

 農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)は22日、福島県内の放射性物質に汚染された農地土壌から放射性セシウムを99.9%除去できる技術を開発したと発表した。

 汚染土壌に無機系化合物の「高性能反応促進剤」を添加して、あらかじめ放射性セシウムを昇華しやすくした上で、小型の回転式電気炉を用いて1300度以上に加熱処理し、気体化した放射性セシウムをフィルターで捕らえる。これを冷却した後に「濃縮セシウム塩」として回収する。

 これら一連の技術の実証試験として、福島県飯舘村の飯舘村クリアセンターにある装置で汚染土壌を毎時2キログラムの連続処理したところ、1キログラム当たり6万ベクレルの汚染土壌が同29ベクレルに下がり、セシウムを99.9%除去できた。汚染土壌に残る放射能は基準以下の十分低いレベルなので、復旧・復興用の土木資材などにも利用できるという。

 この除染技術については、3月8日に福島県郡山市で開かれる「農業及び土壌の放射能汚染対策技術国際研究シンポジウム」(主催:農林水産省、国際科学技術センター)でも発表する。※この記事は サイエンスポータル で配信された記事の転載です。
National Geographic News

2012年02月23日

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