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10億円「説得力ない」 「まんが王国」集中砲火
鳥取県の2月定例議会は21日、常任委員会を開き、2012年度一般会計当初予算案の予備審査に入った。企画県土警察常任委では、総額10億円超の「まんが王国とっとり建国」関連事業が、議員から「説得力がない」などと集中砲火を浴びた。「まんが王国」には、議員も目を光らせており、本会議でも取り上げられるのは確実。県にとって議会との“第1ラウンド”は、ほろ苦い結果となった。
同予算案では、国際まんが博(8〜11月)や国際マンガサミット鳥取大会(11月)の開催経費を含む「まんが王国とっとり建国記念事業」(9億4300万円)など、総額約10億5千万円がまんが王国関連の事業費として計上されている。
企画県土警察常任委では「10億円を使っていいのか、という県民の声がある。巨額の金を使う理由を説明してほしい」「いまの事業内容では説得力がない」などの厳しい意見が相次いだ。執行部が個々のイベントの経費や漫画の版権料などを説明できず、議員から「そんな説明で予算が審議できるか」と怒号も飛んだ。
これに対し、県は国際まんが博の開催で国内外から300万人の集客を見込んでいることや、漫画やアニメをビジネスに取り入れたい意向の事業者がいることなどを説明。細羽正文化観光局長も「事業はやることが目的ではなく鳥取県を活性化するための手法」と理解を求めたが、議員からは事業内容の詳細を示すよう求める声が上がった。細羽局長は「十分な説明ができていないことが分かった」と反省しきりだった。
一方、総務教育常任委では同予算案の編成に当たり、確定前の11年度決算で見込まれる剰余金から20億円を繰り入れたことへの質問も。河原正彦統轄監兼総務部長は「基金をあと20億円崩すか、起債を20億円作るかというと、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を維持する点で問題がある。苦労しながら編成したので平井伸治知事も『アクロバティック』と話したのでは」と答弁した。
さらに、県が名古屋本部を廃止し、4月に名古屋市内に「ふるさと鳥取県産業・観光センター」を新設する方針について、議員から「名古屋本部の総括を聞きたい」との声があり、名古屋本部の明里利彦本部長が「企業誘致の成果は約6年半で1件だったが、情報発信や観光誘客はつながりができた。そういった『資産』を新しいセンターに引き継ぎたい」と述べた。常任委の予備審査は22日まで。
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