海抜色分け那覇の減災地図 琉大作製

那覇市内の海抜などを示したスーパー減災マップ

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2012年2月23日 10時01分
(42分前に更新)

 琉球大学はこのほど、東日本大震災の発生から1年を前に津波や地震の発生時に備えて、避難場所や海抜を示した「那覇市スーパー減災マップ」を作製した。那覇市内の家屋すべての住所を記載したほか、緊急時に避難する際の目安として海抜を表示し、避難場所にもなり得る3階建て以上のビルなどを色分けして明記した。同大工学部の仲座栄三教授は「自分が住む場所の海抜のほか、万が一の避難場所やルートを知ることは重要。教材としても役立ててもらえれば」と活用を勧める。同様の減災マップは全国初という。

 同マップはA4判の103ページで、国土地理院長の承認を得て、住所記載の特許を持つ生活地図株式会社と共同で作製。那覇市内全域の建物すべてに住所を記載し、位置を明確にすることで、混乱時も同マップを手に正確な指示や判断ができるよう工夫した。

 また、1771年に先島を襲った明和の大津波は高さ約40メートルに上ったことから、地図上に海抜0メートルから40メートル以上までを5~10メートル単位に色分けし、分かりやすく示した。

 地図は2年に1回のペースで更新され、今後は多機能携帯電話などでも活用できる電子データ版も開発する予定。年内には那覇市版だけでなく、県内の他自治体のマップ作製も手がけるという。

 仲座教授らは那覇市の仲井真小中校区でも同様のマップを作製し父母に配布している。

 今後は同データを基本に地形や波の高さによって、津波の盛り上がり方や想定される被害についても研究する。仲座教授は「この地図を手に、実際に歩いて避難ルートを確認してほしい。普段から防災を意識することが大切」と述べた。同マップは県内のコンビニや書店などで27日から1冊千円で販売する。

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