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政治家というのは面白い発想をするもんだなあ、とつくづく思います。
先日、司会を担当している「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ系、土曜・前8時)のCM中に出演者と「東日本大震災復興支援宝くじ」の話題になったんです。
この宝くじの当選金は、一等前後賞合わせて過去最高の5億円です。読売新聞の橋本五郎さんの「僕、買ったんです」という話で火が付き、「五郎さん、お金に不自由してないでしょう。今更、愛人がいるわけでもなし」とみんなで突っ込むと、「いや、僕だってまだまだ」と訳の分からない反応が返ってきました。
それはそれで面白かったんですが、この時、私の隣に座っていた、みんなの党代表・渡辺喜美さんがボソッと、「5億円ですかあ、供託金80人分ですねえ」とつぶやいたんです。これって普通の人の発想ではあり得ません。この一言でいろんなことが分かりました。
衆議院選挙の小選挙区の供託金は300万円、比例が600万円です。という事は、渡辺さんの頭には、瞬時に600万円×80人の計算がひらめいたという事です。つまり、みんなの党は、次の選挙で比例区を主戦場としていることが分かります。また、渡辺さんは党代表として、公認候補の供託金を党で支出することを考えているようです。
それにしても、選挙に大量の候補者を擁立するのにはホントにお金がかかります。大阪維新の会は、次期衆院選に400人の候補を立てると宣言していますが、小選挙区300、比例100として、必要な供託金の額は実に15億円です。いくら「維新」に勢いがあるといっても、この金額を集めるのは無理でしょう。
実はこの点について、松井一郎大阪府知事に聞いたことがあるんです。そうしたら「維新の会としては、供託金を含めて、選挙資金は候補者に自分で用意してもらう」と言っていました。まあ、一定数の得票があれば供託金は返ってきますし、選挙費用も原則公費負担ですから、非現実的とは言えないですが、このあたり、政党助成金として数百億円が支給される現行制度が、いかに既存政党に有利か分かります。
ところで私は、5億円当たったら自宅に熱帯植物園を造ります。いつでも自家製バナナ食べ放題! やったあ!!
あ、でもまだ宝くじ買ってませんでした。買わないくじは当たりません。((株)大阪綜合研究所代表)
(2012年2月22日08時20分 スポーツ報知)
1956年4月11日、鳥取県・米子市生まれ。54歳。早大法学部卒。80年、読売テレビにアナウンサーとして入社。ニューヨーク駐在員、報道局解説委員長などを歴任し、2010年9月末で退社。現在はフリーキャスター、芦屋大学客員教授、自身が設立したシンクタンク「大阪綜合研究所」代表。家族は妻と2男1女。