2011年12月25日 23時19分 更新:12月26日 0時29分
九州電力玄海原子力発電所4号機(佐賀県玄海町、118万キロワット)が25日午後11時1分、発電を停止し、定期検査入りした。これにより、九電管内の原発6基がすべて止まり、全国の商業用原子炉54基中、稼働中なのは関西電力高浜3号機など6基となった。九電の原発が全停止となるのは、当時1基のみだった玄海原発1号機が定検入りした1980年以来31年ぶりで、複数基体制となった81年以降では初。
九電の発電電力量の約4割を占める原発が全停止し、再稼働の見通しも立たないため、九電と政府は26日から、年末年始(12月29日~12年1月4日)を除く12年2月3日までの平日午前8時~午後9時、九電管内の全ユーザーに対して前年の最大電力需要比で5%以上の節電を要請する。数値を設けた九電管内の節電要請は、石油危機時の74年、政府による15%減の使用制限令以来。
九電によると、火力発電所の補修時期の調整などの緊急対策を講じるが、電力需要に対する供給余力を示す予備率は来年1月は0.8%に低下。また寒さが昨冬並みに厳しければ、マイナス2.2%と供給力が下回るという。
定検は、12年3月下旬には交換する燃料を装荷し終了する見込み。ただ、再稼働の条件となる、原発の安全評価(ストレステスト)に関して、九電は老朽化が指摘される玄海1号機の1次評価を提出しておらず、2次評価については全原発で着手できていない。このため、再稼働時期は見通せず、来年夏の電力不足も懸念される。【太田圭介】