22日午後4時ごろ、東京都渋谷区の東急百貨店東横店1階通路で、川崎市の女性(61)が腕や背中などを刃物で刺され、重傷を負った。警視庁渋谷署は、約20メートル離れたJR渋谷駅改札口付近で包丁(刃渡り約15センチ)をかばんに入れていた自称福岡市在住の70代の女を発見し、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
渋谷署によると、女は「じろじろ見られ、見張られていると思って腹が立った」と供述しているといい、同署は責任能力を慎重に調べる。被害女性は「知らない女に刺された」と話している。
百貨店は休業日だったが、2階には東急東横線渋谷駅があり、周囲は一時騒然とした。
店舗の改装工事をしていた男性(40)は「刺された女性は壁際にぼうぜんと立ち尽くしていた」と話し、足元には血だまりができていたという。女子高生(17)は「いつも東横線を使っているが、怖いので別の路線で帰る」と青ざめた表情で話した。【内橋寿明、小泉大士、喜浦遊】
毎日新聞 2012年2月23日 東京朝刊