フォーリーブスきってのやんちゃな男も、病魔には勝てなかった。
東京・赤坂のTBSで会見した江木とおりもによると、北さんは昨春、腰痛を訴えて都内の病院へ。精密検査で肝臓がんと診断された。投薬治療を続けていたが、今月4日に入院。21日朝に容体が急変し、翌22日午前1時、夫人の静香さん(54)と娘(13)、実妹に看取られ息を引き取ったという。
約9カ月、闘病した北さんは、生前“遺言”を綴り、自身が亡くなったこの日、公式ブログで公開。「北公次としての人生を全う出来た僕は本当に幸せでした。大好きなステージを沢山させて頂きました」と感謝し、「このメッセージを読んで頂ける頃は、もう僕は居ませんが、みんな悲しまないでね。僕は空からみんなを見守るよ! ありがとうを言うのもこれで最後です」と死ぬまでアイドルを貫いた。
今月9日付ブログで北さんの闘病を発表した江木は、22日付で「悲しくて淋しくて切なくて でも最後まで会えたから かわいい公ちゃんでしたよ」とファンにその死を報告。会見では、おりもとともに何度も目を潤ませ、「70歳までバック転すると言っていたのに」と無念さをにじませた。
1966年に結成したフォーリーブスは男性アイドルグループの草分けとして活躍し、78年に解散。2002年に再結成したが、09年1月に青山さんが肝臓がんで57年の生涯を閉じ、同3月29日の公演を最後に活動を休止。そのステージがグループ最後の勇姿となった北さんは、くしくも同じ病で旅立ってしまった。
リーダーとしてフォーリーブスを牽引した北さんの人生は波瀾万丈だった。アクロバティックなパフォーマンスでファンを魅了する一方、解散翌年の79年に覚せい剤取締法違反で逮捕された。
さらに、88年からジャニーズ事務所に関する暴露本を何冊も出版して“時の人”になったが、ブログに掲載した“遺言”では「最後にどうしても言わせて頂けるなら ジャニーさん メリーさん ありがとうございました」と元所属事務所社長、副社長に感謝した。
再結成後、苦楽をともにした仲間ともう一度歌い踊ったコーちゃんは、明るい笑顔を残して人生のステージを後にした。
(紙面から)