花王株が大幅反落、通期営業利益の未達懸念広がる-第3四半期低調
1月31日(ブルームバーグ):花王の株価が大幅反落。前日発表された2011年4-12月期決算は、天然油脂や石化原料など原材料価格高の影響で営業減益となる中、一部アナリストから通期計画未達のリスクが指摘され、業績の先行き不透明感が広がった。
株価は一時、前日比7.6%安の1971円まで下げ幅を広げ、取引時間中の2000円を割れは昨年12月19日以来、およそ1カ月半ぶり。終値は5.9%安の2006円で、東証株価指数(TOPIX)の下落寄与度でキヤノンに次ぐ2位。
花王が30日に発表した11年4-12月期の連結営業利益は、前年同期比6.1%減の941億円。四半期ごとに見ると、10-12月期は同14%減の366億円。12年3月通期計画に関しては、税制改正による繰延税金資産の取り崩しで、純利益予想は従来の570億円から530億円に引き下げたが、営業利益予想は前期比3.3%増の1080億円のままで据え置いた。
ドイツ証券の森将司アナリストは30日付の投資家向けリポートで、10-12月期は同証予想の約410億円を10%程度下回り、「ややネガティブ」と指摘。国内乳幼児用紙おむつ市場の収益性悪化やスキンケア・ヘアケアビジネスの需要不振などから、今期の営業利益予想は「現在の事業環境を考えれば、ややチャレンジング」と懸念を示した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の川本久恵アナリストはリポートで、足元の業況を「国内日用品、ケミカル事業で会社計画を下回る推移」と分析。目標株価を2400円から2200円に引き下げた。
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更新日時: 2012/01/31 15:09 JST