「クラシック半券ギャラリー」特別展6
|
岩佐 潔さんコレクション
|
各半券へのコメントは、岩佐さんよりいただいたものです。
|
|
1984年10月23日(火)&24日(水) |
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
|
|
|
<プログラム>
1984年10月23日(火)
ブラームス:交響曲第3番ヘ短調op.90
ブラームス:交響曲第1番ハ短調op.68
1984年10月24日(水)
ドビュッシー: 交響詩「海」
ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:バレエ組曲「ダフニスとクロエ」第2番
|
|
| 東京に出てきて半年後、夢にまで見たKarajan&BPOの来日公演が私の東京での最初のコンサートとなりました。(私がクラシック音楽にはまったきっかけは、小学6年生の時、友人宅でKarajan&WPhのベートーヴェン7番のレコードを聞いたことです。それ以来、生でKarajanを聞きたいというのが私の夢でした)。
この時の来日公演は、あの有名なKlarinettenkriegでごたごたしたあとのことで、本当に来日するのか大変気をもんだ記憶があります。
会場は「普門館」。5千人収容の巨大なホールで、ホール内にエスカレータがあるという奇妙なものでした。今から考えるとなぜ東京文化会館公演を買わなかったのか不思議ですが、ブラームス、そしてフランス音楽プロを聞きたかったというところでしょう。ちなみにフランス音楽プロは、当初、後半のラヴェルの作品が「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「ボレロ」でしたが、直前に「ダフニス」に変更になりました。
演奏の方は、普門館の巨大な空間に音楽が分散してしまい、また、実際にKarajanが目の前で指揮しているという興奮も手伝ってほとんど分析できるような記憶がありません。とにかく「Karajanを体験した」というコンサートでした。
これ以降の私の「Karajan体験」は、1987年にBerlinで2回、そして最後の来日となった1988年には日本公演5回すべてに行った、全9回となりました。 |
|
|
1985年03月05日(火) |
サイモン・ラトル指揮フィルハーモニア管弦楽団
|
|
|
<プログラム>
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op.9
ドビュッシー:交響詩「海」
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調op.93
<アンコール>
フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」から前奏曲
|
|
| 今をときめく巨匠サー・サイモン・ラトルの初来日。この時は、他にシベリウスの交響曲第2番をメインとするプログラムも持ってきていたが(東京では翌日公演)、こちらを選択。
FM放送などで聞いて注目していたラトルを目当てに行ったコンサートです。「海」での弱音のコントロール、ショスタコーヴィチでのたたみかけるようなff、そしてppでの表現力のすばらしさに感銘をうけた記憶があります。今の活躍を予感させるような才能を感じたコンサートでした。 |
|
|
1985年05月25日(土) |
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団
|
|
|
<プログラム>
モーツアルト: 交響曲第41番ハ長調k.551「ジュピター」
ベルリオーズ: 幻想交響曲op.14a
<アンコール>
ヴェルディ :歌劇「運命の力」序曲
|
|
| 「音楽の友」の懸賞で当たったコンサート。行きたいとは思っていましたが、当時はお金がなくって…。「音楽の友」さまさまです。
このコンサート、海外のオーケストラの素晴らしさをまざまざと見せつけられた最初のコンサートでした。特に後半の「幻想」が凄かった。弦のピッチの正確さと音の大きさ、管のパワフルなこと(でも音色は汚くならない!)、当時の日本のオーケストラとは決定的に違う「魅力」に圧倒されました。前年のBPOや同年3月のフィルハーモニア管では感じられなかったものでした。今考えると、あれがフィラデルフィア・サウンドだったのかもしれません。とにかく凄いコンサートでした。。。 |
|
|
1985年09月12日(木)&14日(土) |
レナード・バーンスタイン指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
|
|
|
<プログラム>
1985年9月12日(木)
マーラー : 交響曲第9番ニ長調
1985年9月14日(土)
バーンスタイン: 「ハリル」
バーンスタイン : 「ウエストサイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンス
ブラームス :交響曲第1番ハ短調op.68
|
|
| Karajanと並んで20世紀後半を代表する指揮者Bernsteinを最初に聞いたコンサートです。
当初の発表では券面に書かれた曲目だったのですが、発売日にプレイガイドへ買いに行ってみると、曲目が変更になったとのこと、「曲目変更について」という小さなちらしを渡されました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が聞けないのにはがっかりしてしまい、その日はとりあえずマーラーのチケットだけ買ったのですが、一週間後にやはりブラームスも聞きたいと思いプレイガイドへ行くと、最低券が残っているではありませんか。思わず買ってしまいました。当時はチケットを取るのにそれほど苦労しなくても良かったのですね。
演奏の方は、さすがレニーのマーラー、素晴らしかったです。これを聞いてしまったら、もう他の演奏は…などと思っていたのですが、後で聞いた話では9月9日の演奏がもっと素晴らしかったとのこと(レニーが生涯最高のマーラー演奏と語って伝説になっている演奏、9月12日の方はレニーのお気には召さなかったようです)。でもいいです、私にとっては、レニーのマーラーを生で聞けた唯一回のコンサートですから…。
9月14日のコンサートの方は、NHKホール3階最後列の音響のすさまじさ(あまりに悪い)を思い知りました。というわけでこちらの方の感想は省略です。ただ、1990年来日時の騒動のことを考えると、自作自演を聞けてよかったと思っています。 |
|
|
1986年03月31日(月) |
ダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団
|
|
|
<プログラム>
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調op.74「悲愴」
ワーグナー :楽劇「神々の黄昏」から
夜明けとジークフリートのラインの旅
ジークフリートの死と葬送行進曲、終曲
|
|
| まるでメインの曲が2曲並んだような重量級のプログラム。このコンサートも曲目変更があったのでした。もとは、前半が序曲「レオノーレ」第3番と未完成交響曲だったのです。なお、東京公演(梶本音楽事務所主催)のもう一つのプログラムも変更になっていて、当初「悲愴」交響曲&「春の祭典」だったのが、「未完成」&「英雄」と大変更でした。「ハルサイ」目当てにチケット買った人は唖然としたでしょうね。まあ、私はWagner目当てでしたから。。。
会場の武蔵野市民文化会館は1350席のホールで、シカゴ響を聞くには小さすぎるホールでした。小さなホールでもシカゴの連中、思いっきり音を出すものだから音が飽和しまくって耳が痛くなったほどです。
このコンサート、思い出といえば、Siegfried-Rufを吹いたクレヴェンジャーのうまさでしょうか。金管のパワーも凄かったです。全盛時のシカゴ響を聞けたのがうれしかったですね。でも私、ショルティ&シカゴ響という黄金コンビは聞いていないのです。今考えると、残念ではありますが。。。
そういえばこのコンサート、予定が発表された時にはショルティの指揮のはずだったんだよなぁ…。私が東京でコンサート通いを始めた時分にはこういった変更が多かったのだなぁと思い返しています。 |
|
|
1986年04月13日(日) |
ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
|
|
|
<プログラム>
モーツアルト:交響曲第25番ト短調k.183
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」op.20
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調op.64
<アンコール>
J.シュトラウス :円舞曲「うわごと」
|
|
| 私が初めてウィーン・フィル(WPh)を聞いたコンサート。以来何度もWPhを聞いていますが、この時が最高に良かったように思います。何といっても「ドン・ファン」が素晴らしかった。絶妙なテンポ設定、音色の美しさ、これほど素晴らしい「ドン・ファン」にはまだ巡り合っていません。
チャイコフスキーも、マゼールが本気でWPhをドライヴした演奏。マゼールもこの後何度も聞いていますが、気のない演奏をしているときも多々ありました。さすがにWPh相手だと本気になるのですね。気合の入り方が違いました。 |
|