背徳の戦記
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第1章 01
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「我が王国の領土内において発掘されたミスリル銀は我が領土の民の物である。それを脅かす帝国の強欲さは許されるものではない。よって皇女ティエル・ド・ブランドーの名において、帝国が村より手を引くまで、戦いを挑むものである」 皇女ティエルは民を前にしてこう宣言したのである。 また、それと同時に次の策略を即座に実行に移した。 帝国は反論してきた。 「我が国の情けで生き延びてきた小国の分際で、我が帝国に宣戦布告するなど笑止。ミスリル銀とて情けで生き延びてきた貴国などのものではない。我が崇高なる皇帝の物だ。我が軍団によって、貴国を占領してくれようぞ」 皇帝の宣言が公式に発表されたことにより、事態は最悪のシナリオを描き始めた。 ミスリル戦争の勃発である。
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