最終更新日:2012/02/22 12:53
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少年達にとって王国と帝国の境界である山脈の麓は、格好の遊び場だった。少年達には秘密の隠れ家があった。山麓の麓にある洞窟だ。といっても少年達は、その洞窟の入口付近しか使っていなかった。大人も知らない秘密基地。少年たちにとっては、大変な宝物だ。
しかし、今日は少し趣きが違う。今まで考えてもみなかった、洞窟の奥への探検―― 少年達は迷うことのないように、紙とペンを用意していた。それとランタン。これで準備は整った。 少年達のリーダー格が出発の合図を出す。 少年達はゆっくりと歩き出した。何処までも続くような深い闇。その中を頼りないランタンの光だけを頼りに歩いていく。足元も決して平坦とは言えない。 分かれ道に来た。少年のリーダーは迷った末、片方の道を指差した。 恐る恐る進んでいく。少しずつ恐怖が募っていく。地図は描いているが、もし、迷ったら―― その時、少年達の内の一人が、拳大の綺麗な銀色の石を見つけた。 不思議そうに持ち上げる少年。少年はリーダー格の少年に、その石を見せた。リーダー格の少年が宝物を見つけたかのように喜んだ。 ランタンで辺りを照らしてみる。洞窟の壁のあちらこちらに、その綺麗な銀色の石が見て取れた。そして、そこらに幾つかの銀色の綺麗な石が転がっている。 少年達は満足だった。自分たちは宝物を見つけたのだ。
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