今年度4月、中華人民共和国天津中日友好協会並びに天津外国語学院付属天津外国語学校からの強いオファーを受け「教育交流協定」を新たに締結する運びとなりました。
本校は御案内のとおり、〈個性化コース〉と〈国際文化コース〉を教育課程(カリキュラム)上に配し、それぞれの教科(学習)指導はもとより、広義の意味での教育課程を推進する上で非常に柔軟で魅力的な編成を試みると共に、様々な教育実践を深化するための教育システムを立ち上げています。
そのひとつが〈海外パートナー校教育交流〉です。現在アメリカ・フランス・イギリス・スペイン・中国・韓国の6ケ国7校と「教育交流協定」を結び、殊にイギリスにプレスデール、レディマナーズの2校のパートナー校があり、今年の3月の教育交流プログラム裡には、イギリスの伝統ある単科大学オーディングリー・カレッジをも訪問交流し、大きな成果を修めました。今回の中国天津外国語学院付属天津外国語学校との協定締結をもって、6ケ国8校との〈海外パートナー校教育交流〉がさらに充実されます。
またこの5月には、EU創立50周年を記念して〈スロヴェニア〉国駐日大使の訪問を受け、大使自らが講師となり講義をいただく等、まさに国際教育を推進する高等学校としての面目躍如たるものがあります。講義は全て英語で講義され、受講する本校の生徒たちの応答も全て英語を用いての実施です。EUの歴史・生活文化、否その歴史に刻まれた生命文化が語られるなど、まさに生きた国際教育、意義ある教育交流が展開されました。
一方本校の3年次生、佐藤圭太君が「平成19年度内閣総理大臣オーストラリア科学奨学生」に選ばれ、日本の高校生代表としてオーストラリアに派遣される等、今年度も実に多彩な〈個性〉の発現がうかがえます。佐藤君は、環境問題に主眼を置きながらの科学奨学生派遣で、所期の目的を果たすための自己啓発に余念がありません。他の学習者(生徒)も、 創立以来の本校の教育の重点としての「テーマ学習1,2(数字はローマ数字を使用)」「テーマ研究」の課題追究や類型研究発表会などに向けて、自己研鑽に励んでいます。
そう言えば桜が開花宣言された頃、ひとりの卒業生が、志望の大学への進学を果たしたとの報告に校長室を訪ねてくれました。実に爽やかな笑顔での訪問で殊に印象的であり、本校に学んで本当によかったと語る彼を、むしろ本校が迎え入れて良かったとつくづく思い続けています。それぞれの《個性値》が輝く本校ですが、一人ひとりの今後の自己実現を大いに期待し「夢をつなぐ空」への旅立ちを心から祝福しながら、厳しさもあろう彼らの今後に向けて「世界に翔けよ!」と、心奥深くに激励の言葉を刻んでいます。
それでは、今年度の〈神奈川県立神奈川総合高等学校〉の概要をご紹介します。
平成7年4月、本県初の単位制全日制普通科校として開校された本校の「教育目標」は、
生徒一人ひとりの個性の伸長を図り、主体的に学び、国際社会の中で、共に生き共に育つ高い人格と心豊かな感性を備えた人間を育成する。
と、開校以来高らかに標榜され、かつそれを教育実践の誇りとして今日まで大切に継承し、一日一日の教育活動裡に刻みながら、朗らかに爽やかに本校の“学び”に邁進しています。
また「教育方針」として、以下の5点を重視し具体的な教育実践に取り組んでいます。
1.生徒一人ひとりが、自らの個性に合った学習内容を選び、個性をさらに伸ばせる教育を行う。
2.高等学校を中途退学した生徒については、学習意欲があり個性を伸ばそうとする者を受け入れる。
3.本県の特性を踏まえ、海外帰国生徒・在県外国人生徒を受け入れ、一般の生徒と共に学ぶ国際教育を行う。
4.普通科・専門学科の枠を超えた総合的な学習ができる教育を行う。
5.21世紀に必要な国際、科学技術など、多様な内容の生涯学習の機会と場を県民に提供する。
“学び”は、自分自身をあきらめない意志の表明であり、より着実に自己と遭遇することから真の“学び”が始められ、そうして理解把握された、何ものにも代え難い自己の個性や深い可能性のもと、人としての確かな〈自己実現〉が果たされるものであると考えています。
本校は、そうした視点から、自分自身を見、極める力を身につける必要をこそ重要視し、またそうした自己実現への可能性を力強く指導し、支援を惜しまぬ“学びのシステム”を着実に形成しながら、学習者(生徒)を主人公とした教育実践を重ねています。
本校は、平成7年4月開校された、神奈川県で初めての単位制を基調とした全日制普通科高等学校です。学習者(生徒)は、自らの興味・関心、適性・進路希望等によって学習する各科目を自己選択し、自分自身だけの所謂「時間割」を作成します。展開される授業では、当然ですがクラス・年齢の異なる学習者(生徒)と共に学習しながら、単位数74単位以上を修得して卒業します。普通科高校の科目は全て必修科目として学習でき、それに加えて、本校独自のカリキュラムに配置された自由選択科目や特色ある学校独自の「学校設定科目」の数々を履修することが可能です。因みに、本校の教育課程(カリキュラム)に配置された科目数は196科目を数え、一人ひとりの学習者(生徒)が多様な学習領域に積極的に挑戦するなど、着実にその学習ニーズに応えています。
コースは、多様な科目から選択しチャレンジすることによって、持てる可能性を探り、自らの個性を発見しつつ伸ばしていくことができる〈個性化コース〉と、語学及び国際理解を深める科目を重点的に学習し、国際的な課題や国際社会に開かれた資質を育てることができる〈国際文化コース〉があります。
学習形態としては、所謂「習熟度別学習」が〈英語〉〈数学〉で実施され、社会人のための「生涯学習講座(公開セミナー)」も毎年度プログラムされるなど、学習者(生徒)も受講することができ、その成果をもって単位認定されます。他に〈漢字検定〉や〈英語検定〉、〈情報処理検定〉などの成果も同様に単位認定され、加えて本校と各大学との教育交流連携として協定が結ばれていて、横浜国立大学・中央大学などで実際の大学の講義を受講することも可能であり、併せてそれぞれの学習成果による単位認定が受けられます。
1授業時間90分の授業が構成され、授業そのものが伝統的に「授けられる」ものではなく、自らが「学ぶ」ものとして位置付けられていて、教育目標にある〈主体的に学ぶ〉姿勢が校風として定着されています。所謂「教室」を〈学習室〉と呼び、「生徒」を〈学習者〉と呼称する開校以来の“学び”の背景には、自身に厳しい《自学自習》の精神が宿っていることは言うまでもないことです。事実、各学習室(教室)には、時間を示す時計が未だに存在しません。
在籍学習者(生徒)は、実に県下285の中学校からの進学者で構成され、それぞれ横浜市はもとより、北は藤野町・伊勢原市、西は小田原市・湯河原町、南は横須賀市・三浦市、そして東は川崎市南北の各中学校区域からの通学になります。
また、海外帰国生徒募集枠入学生徒等の滞在国は、アメリカ16人・中国7人・タイ・シンガポール・ドイツ・イギリス・オランダ・スペイン各2人・スイス・カナダ・マレーシア各1人合計38人が在籍し、在県外国人募集枠入学生徒の国籍も、中国19人をはじめ、ペルー3人・マレーシア2人・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・ブラジル各1人合計28人を数えます。また本校に留学している留学生数は、フランス・ドイツ・ブラジル・オーストラリア・オランダ・マレーシア各1名で現在計6名を受け入れている現状があります。本校が至極自然に国際的な学習環境を維持していることが容易に理解されると思います。それ故、語学教育に自ずと力点が置かれると共に、学習者(生徒)が、自然体で語学習得やそれを補完する生き生きとした語学文化などに指向性を堅持する背景が、まさにこうした学校状況にあることは指摘するまでもありません。時に、在籍学習者(生徒)が英語とスペイン語を流暢に話したり、また在県の外国人学習者(生徒)が、どこ迄も誠実にかつ熱心に中国語と向き合ったり、触発啓発された一般の学習者(生徒)が果敢にドイツ語にチャレンジしている日常の授業光景を見るにつけ、より構造的な学習システムを構築しながら、そうした学習者(生徒)の教育ニーズに着実に応えようとする教職員の姿勢も高く評価している次第です。また、在県外国人生徒をはじめ、海外帰国生徒などへの「日本語指導」や学習面での遅延がある場合のきめ細かな対応として、個人個人の状況を把握した〈個別対応授業〉も実施しています。また必要に応じて、放課後に個別指導を受講することも可能です。特筆されるシステムとして、在校生が〈スチューデント・チューター〉となって、在県外国人生徒はもとより留学生に対しても日本語指導・日本語支援などを展開するボランタリズム精神が発現されています。この〈スチューデント・チューター〉は、在校生のボランティア活動として校内に定着し、例えば新入生の「履修ガイダンス」にも大きな支援の成果をあげていて着目されています。このほかにも本校の多目的ホールでは、多数のホール・スタッフがボランティアとして自主活動を展開するなど、在籍生徒自らが学校づくりに参加している場面場面が担保され好ましい環境下にあります。また、学校生活・学習方法や進路などに関する質問や相談も随時受けると同時に、保護者も含めて本校パートナーズ(※他校でいうPTA)と共に様々な課題を話し合い相談などを受けるための、海外帰国生徒・在県外国人生徒保護者会が年間2回程度、計画的に開催され好評を博しています。
「個性化コース」では、先述したとおり、教育課程(カリキュラム)に配された196を数える多様な科目から、自身の将来像を見据えながら自己選択し、自らが自らにチャレンジすることにより自己探求を追究しながら、持てる個性の伸長や可能性の深化を極めつつ自己研鑽に勤しみます。環境・情報・バイオテクノロジー・健康スポーツ・工学・福祉・舞台(プレゼンテーション)などの科目設定があり、中でも本校に隣接する神奈川工業高校との授業提供から、本校の教育課程(カリキュラム)にはない住宅建築の授業も受講可能になっています。
意欲的に“学び”にチャレンジしながら、かつ自己と素直に向き合い、ポテンシャルな自身の資質や能力などの開発に余念がない学習者(生徒)が成長しています。
「国際文化コース」では、殊に語学に関する科目の学習に重点を置き、英語以外の語学習得に力を注いでいます。例えば、フランス語・ドイツ語・スペイン(イスパニア)語・中国語・ハングルをネィティブ・スピーカーを交えた学習形態で学習することができます。また、外国人生徒や外国人留学生のための日本語・日本文化理解の科目も設置しながら、語学習得に必須の、諸外国文化理解に資するための科目受講も可能としています。
将来、外国語系学部への進学や語学力を活かして国際的な活躍を期する人たちのためへの学習配慮も、教育課程(カリキュラム)内に充分為されていると言っても過言ではありません。このコースに所属する学習者(生徒)にも光る個性が随所に捉えられます。
外国語教育では、先述した「国際文化コース」と重複しますが、英語を中心に幅広い実践的な学習を重ねます。両コース共「オーラル・コミュニケーションI」が必修で、本校の外国語科教師陣とALT(Assistant Language Teacher)とのTT(チームティーチング)で授業展開をします。さらに学習者(生徒)は、語学学習に欠かせない補完科目、例えば、「ラピッドリーディング」「クリエィティブ・ライティング」「プレゼンテーション」「メディアと世界」「グローバル学習」などを履修します。加えて、両コース共、 学習者(生徒)は、第二外国語としてフランス語・ドイツ語・スペイン(イスパニア)語・中国語・ハングルを学ぶことができます。これらの科目の学習形態は、先述したとおり、本校外国語科の先生とネィティブの先生のTT(チームティーチング)の形態か、もしくはネィティブの先生単独で学習することになります。総じて、将来外国語系学部への進学や国際的な視点から語学力を活かしての就業を考えている学習者(生徒)にとって〈魅力ある外国語教育〉が展開されていると自負しています。
学習者は総じて、海外帰国生、在県外国人生や諸外国からの留学生とごく自然に学校生活を過ごすことにより、様々な諸外国の文化を理解し、尊重する豊かな国際性を身に付けていると言えます。学習者(生徒)は、本校が「国際交流パートナー校」として協定している各国各校への国際交流プログラムに参加することができます。そのパートナー校は、アメリカ・イギリス・中国・フランス・スペイン・韓国の6ケ国に7校あり、概ね2週間各ホストファミリーの家々にホームステイしながら現地の学校に通学し、語学研修や国際感覚を深める交流に参加します。一方各パートナー校の生徒を本校へ受け入れ、我が国の生活文化や日本語の研修に勤しむプログラムを持ち、お互いの国の文化や歴史、各々の言語研修などに大きな成果をあげています。特にイギリスや中国とのパートナー教育交流校は、 本県では他に例を見ず、なべて世界6ケ国とのパートナー校教育交流プログラムを堅持しながら、学習者(生徒)の主体性を軸とした、生きた国際交流プログラムを発展継承していることは特筆すべきものと捉えて止みません。
昨年度は、7月にイギリスのプレスデール校、1月に韓国の佛谷高校2月にフランスのサントアニュス校から生徒諸君を迎え入れ、語学研修をはじめ様々な国際交流を重ね、本校からは8月に韓国へ、3月にはイギリス2校と1単科大学に教育交流を実践しました。今年度は、アメリカ・フランス・スペイン・中国・イギリス・韓国への交流計画を実施する予定です。各学習者(生徒)の柔らかな感性やダイナミックな行動計画裡にこそ、本来の目的が刻まれてあることは確かです。また冒頭にも記しましたが、中華人民共和国天津の「天津外国語学院付属天津外国語学校」との〈パートナー校教育交流協定〉を締結し、長春外国語学校に加えての中国との国際教育も尚一層実践推進します。今年度中の本校訪問校としては、6月にアメリカのシカゴに在るホィットニーヤングマグネットHC、7月にはイギリスのレデイマナーズ校の生徒の皆さんが、本校を訪問し教育交流プログラムに沿って交流します。 殊にレデイマナーズ校は校内での教育交流はもとより、そうした枠をも越えて「平和教育」プログラムをデザインし、本校生と共に被爆地広島市を訪問し共に地球規模での〈平和〉の在り方を考える教育プログラムを教育実践する予定です。こうした意義あるご支援を頂く「ブリティッシュ・カウンシル」(ジャパン本部:東京都新宿区神楽坂)に対して、この場を借りて深く感謝すると同時に、21世紀を共に生きる世界の若者のヒューマン・スピリットが交流発現できることに大きな意義と希望を託したいと考えて止みません。
また今年度本校生が訪問する予定の海外の学校は、中国の天津外国語学院付属天津外国語学校・韓国の佛谷高校・スペインのフェルナンド・デ・ロハス高校他、前述のフランス・アメリカ・イギリスの7校の予定で、在籍学習者(生徒)の語学習得や訪問交流国の歴史・伝統や生活文化などの事前学習に熱が入っています。
単位制高等学校の特色として、所謂「学年進行制」の学校と異なり、毎朝夕のSHRはありません。週1度毎週木曜日にLHRの時間が設定されていて、ホームルームクラスとしての活動がなされます。1ホームルームクラス25名程度の少人数での活動が形成され、各年次毎に9クラス編成されています。週間毎の諸伝達や学校行事へのクラスの取り組みはもとより、様々な活動がHRとして展開される時間と空間であるわけです。そうしたホームルームクラスは、個性化コース・国際文化コースの枠をはずして、一般生・帰国生・在県外国人生、中途退学生共々が所属しています。各ホームルームクラスでは、それぞれの立場やお互いを尊重し合い、各自の目的に応じながら“学び”はもとより諸活動を展開し、各々の人間としての人格を認め感性を重視しながら、朗らかにまた着実に自己探求や人間関係を大切にした活動が営まれています。
本校在籍生の進路実現の状況は、卒業生の殆どが進学希望を抱いています。実は、入学前後に充分時間をかけて実施する「履修指導」そのものが、学習者(生徒)一人ひとりの進路指導といえるものです。教育課程(カリキュラム)上に配されている一つひとつの科目を、自身の将来像を見据えながらどう選択していくのか、将来の自己を実現するための科目履修そのものが、学習者(生徒)一人ひとりの進路指導となっているわけです。換言すれば、入学して直ぐ自分自身の〈進路〉を考え始め、科目選択する際に最早一人ひとりの「進路指導」が着実に開始されているわけです。そのため一人ひとりの学習者(生徒)は、そうした将来の自己実現を果たさんとして、本校の教育課程(カリキュラム)上に配されてある様々な自己探求のシステムを、自身の目的を鮮明化しつつ活用し始めます。
その中心に位置付けられている柱こそが、1年次で取り組む「テーマ学習I」2年次で課題と向き合う「テーマ学習II」であり、3年次にそうした経年の課題学習の成果を集大成する「テーマ研究」です。入学後の1年次から、指導教諭の指導支援のもと、自らが設定した〈学習課題〉に誠実に向き合い、自らの力で課題を捉え、自らの研究を積み上げていく軌跡の内にこそ、自己と時に厳しく時に明確に向き合いながらの〈自己探求〉そのものが形成されます。言わば「自分が何者か」「自分の個性とは何か」、そして「自分が自分の人生を如何に豊かに生きていくか」の自問から始まり、苦しみながらも一人ひとりの「自己対峙」の経過裡に、自らの力で自らの将来を、夢を結び始めます。そうした経緯にあって常に〈自己の学び〉を意識し、自らが「自己の進路実現」を追究し続けるわけです。
そうした意味合いから、本校の〈テーマ学習I・II〉〈テーマ研究〉が高い評価を受け続けていることも事実です。毎年度7月に、多目的ホールを中心に実施される「テーマ研究発表会」は、3年次の学習者(生徒)全員が参加し、都合3ケ年の研究成果が提示されていて実に好ましい教育成果と言うことができます。卒業生の数だけある研究成果は、質量ともに高校生としてのレベルを凌ぐものが多く認知され、研究成果そのものを〈研究紀要〉として上梓し、後に続く者に確かに受け継がれています。常に〈自己〉から発し、確かに〈自己〉に回帰する、教育実践上の収斂と拡散が、一人ひとりの学習者(生徒)の未来を確かに形づくることのダイナミズムこそが、日常的に繰り返されて在ることに、学習者(生徒)はもとより教職員も誇りを持ち続けています。
さらには、毎年度各主要大学から教授陣を招致して展開する「分野別進路説明会」や自らの進路実現を果たした卒業生を招いて開催される「卒業生を囲む会」等、学びの意義や各大学の教育方針などを聞きつつ協議する機会を設けています。自己の進路目的に応じて、実に多様な進路進学先を内包する現況にあって、それに対応する情報を収集・管理したり加工したり、実にきめ細かな進路・進学指導を展開しているのも確かです。また外国の大学に進学し、自己の進路実現を追究する卒業生も少なくありません。
自己発見のためにプログラムされたものとして、他に、入学後実施される「宿泊オリエンテーション」、周到な事前調査・研究を経ての国内6ルートで展開される「研修旅行」、まる2日間英語だけで過ごす「イングリッシュ・デイキャンプ」、また翔鴎祭(文化祭)や「音楽系・舞台系発表会」など枚挙に暇がありません。自分自身と明確に出会い、自己理解を深めると同時に他者との確かな出会いを重ねることによって、学習者(生徒)本来の進路が探求されると考えて止まないからです。また在籍学習者(生徒)がボランティアとなって毎年2月に催される「ワン・コインコンサート」(於:本郷台アース・プラザ)も今年で第9回を数え、コンサートの協賛金がネパールの子どもたちの学校での学び支援として活用されています。列挙した行事は、所謂「学校行事」と呼称されますが、本校では、それらが真に一人ひとりの学習者(生徒)の〈学び〉に深く関わることを、また関わることで初めて真の“教育の実践”と呼ぶことができるとする姿勢を容易に崩しません。
平成18年度の本校の大学進学者は、学習者(生徒)自らの3ケ年の自己探求を経て、それぞれの大学進学を果たしています。例えば横浜国立大学をはじめ、東京大学・東京外国語大学・お茶の水女子大学・東京芸術大学・筑波大学・東京工業大学や一橋大学など国公立大学に65名が勇躍進学を果たしました。同じく4年制私立大学には、早稲田大学・慶応大学・上智大学をはじめ、多摩美術大学・東京音楽大学・日本社会事業大学等々、また自身のライフ計画に基づいた専門学校進学等、実に多様な個性の発現を追究しながら自らの就業実現を果たさんと、〈第1志望進路進学の実現〉を着実に果たしています。
そうした進学実現を含め本校の在り方を模索すべく、創立12年目の昨年度は、「創立10年目の学校検証」を学校目標に掲げ、様々な評価を受けてきた本校の教育実践を、全校を挙げて検証しました。その中で、やはり学習者(生徒)や保護者の教育ニーズに的確に応えるべく、概ねの学習者(生徒)が大学進学を企図する本校にあって、標記の〈第1志望進路実現校〉たらんとする協議が度重ねて進められました。第1の進路志望の実現、そのために学習者(生徒)自らが取り組むべき課題は何か、-次代を担う若者が丁寧に、自身の人生を自らの指でゆっくりとなぞるように、「自らの進むべき途(みち)」を探求する高等学校として、高らかに挙手したいと心の底から念願して止みません。
平成19年度は、そうした学校検証を経て鮮明化された「学校課題」に果敢に取り組み、殊に(1)教育課程 (2)教育交流連携 (3)研修旅行・国際交流 (4)特別講座のプロジェクトで方向性を見いだした教育実践を試行する年度です。即ち「検証(平成18年度)」から「試行(平成19年度)」に移行します。冒頭に掲げましたとおり、学習者(生徒)の「個性値」がより一層輝くために、課題の提示された領域(広義のカリキュラム)での様々な教育的な取り組みを躊躇せずに試行推進していこうと考えています。
多くの時間をかける「履修指導」に始まり、様々な教育プログラムに、はたまた教育実践システムに、確かな自信を抱きながら「一人ひとりの個性の伸長を図り、主体的に学び、国際社会の中で共に生き、共に育つ高い人格と心豊かな感性を備えた人間」の育成に、教職員一丸となって尚一層努力を重ねたいと決意しています。
〈神奈総Learning Method)〉(抜)
-《キャリアアップ講座》-“プロフェショナルトーク”“ステップ・アップ講座” 他-
本校は〈第1志望進路実現校〉を目指して、学習者(生徒)一人ひとりが自らの自己実現を果たすべく日々努力を重ねています。学習者(生徒)は、在学中に自身の興味・関心を見極め、その能力・適性を自己探求し自己の進路実現を果たすべく企図しています。学習への根幹的な意欲(意志)形成に有効に資するためには、将来的な就業をじっくりと考える必要に迫られます。〈仕事〉を通して社会参加し、〈仕事〉を通して社会貢献を果たし、そして〈仕事〉を通して自己実現を図ろうとする意志の形成は、学習者(生徒)にとって掛け替えのない重要事項であると考えて止みません。
今年度の進路支援領域での「試行」のひとつとして、標記の《キャリアアップ講座》を企画しています。この講座は土曜日の概ね4時間を有効活用して、本校の多目的ホールで実践されます。具体的には、“保護者自身が語るキャリア(仕事)”をキーワードとして計画され、例えば医師、公認会計士、税理士、保育士、新聞記者やエンジニア等々、保護者自身が本校の学習者(生徒)に語りかけ、その〈仕事〉を選択した経緯から〈仕事〉の概要、自己啓発が要請された背景や今日的な課題までを語り、後会場の本校生と協議を深める形態で「試行」されます。実施回数は通年で数職種を予定試行し、対象者は本校生殊に今年度入学第13期生を中心に保護者にも開かれたものとして実施されます。詳細は本人・保護者宛文書を確認の上御参会ください。尚お問い合わせは、学校内の「進路支援グループ」根本総括教諭宛お願い致します。【TEL045(491)2000】
1 ねらい
将来にわたって「仕事」を通して着実に社会参加し、「仕事」を通して〈自己実現〉を果たすため、保護者の語る「仕事」に向き合い、学習者(生徒)の自己省察・自己探求を深める。
2 名称
『キャリアアップ講座:“プロフェショナルトーク”』
3 実施時期
平成19年6月下旬~(※午前日程・各回2職業予定)
4 会場
本校多目的ホール
5 講師
本校パートナーズ会員(保護者)
6 受講対象
本校在籍学習者(生徒)・保護者
この講座は現在企画進行中のプログラムですが、今年度試行実施予定の講座です。本校生の中には、カリキュラム上に設置されている芸術殊に美術系・音楽系・舞台表現系の高等教育機関(大学)に進学する学習者(生徒)が少なからず在籍しています。また報道カメラマンや新聞記者をはじめ大学等の研究員志望の学習者(生徒)もいて、総じてそのキャリアについての詳細を把握されずにいる状況があります。そうした学習者(生徒)対象に“本物のキャリア”に触れる機会を得たい、と考えてきました。そう、“本物”に触れることで触発される感性や想像力、加えて学習者(生徒)自身の「自己を創造する力」を期待しての企画です。
斯界のプロフェショナルに来校を要請し、様々な考えや自らを語っていただくことから新たなプロフェショナルたる資質の理解や夢の実現を志向できたらと念願しています。この講座の実施時期は、今年度秋10月頃の試行実施を検討しています。会場は本校多目的ホールで開催し、参加対象は生徒・保護者で、加えて広く公開セミナーの性格を持たせ地域県民の皆さんも参加できるものと位置付けています。先述した《プロフェッショナルトーク》が、“保護者自身が語るキャリア(仕事)”をキーワードとしていることに比して、この講座は、“その途のプロフェショナルが語るキャリア(仕事)”をキーワードとした自己啓発講座と呼称しても過言ではありません。尚お問い合わせは、〈キャリアアップ講座〉同様、「進路支援グループ」根本総括教諭宛お願い致します。【TEL045(491)2000】
1 ねらい
将来にわたって「仕事」を通して着実に社会参加し、「仕事」を通して〈自己実現〉を果たすため、斯界の専門家を招聘して講義・協議をし、「仕事」への意志形成や課題を鮮明化するとともに、学習者(生徒)の自己省察・自己探求に資する。
2 名称
『エキスパート・レクチャー』
3 実施時期
平成19年10月中旬(予定)
4 会場
本校多目的ホール
5 講師
各職業領域に於けるプロフェショナル
6 受講対象
本校在籍学習者(生徒)・保護者 地域県民の方々
その他昨年度から試行している「学校モニタリング制度」も、今年5月のパートナーズ(PTA)総会フェスティバル以降さらに拡大します。モニターは広く公募し、「(1)授業モニター」「(2)行事モニター」「(3)学校経営モニター」として意見をお寄せ頂きます。またモニターから寄せられた意見を本校の教育実践に着実に反映させると共に、より一層学習者(生徒)を主人公とした高等学校づくりに邁進したいと考えています。
平成18年度は〈学校モニタリング制度〉を試行しました。本校では随時の保護者による授業参観を位置付けていますが、なかなか保護者の方々が参画できない背景や事情があり、各年度2回程度実施される、所謂〈学級懇談会〉などでの意見も受容し、システム構築を図った経緯があります。試行では、それぞれのモニタリング領域に沿いながらモニターとしての活動をいただき、学校経営そのものに有意義な意見具申が得られました。校長の学校経営に対しての率直なご指摘なども窺えて大きな成果が見られました。
1 資格
本校保護者パートナーズ会員・学校評議員・地域県民 他
2 内容
(1)【授業モニター】本校で実践されている「授業」を参観し、意見提示等します。
(2)【行事モニター】 本校の多彩な学校行事を参観し、意見提示等します。
(3)【学校経営モニター】本校の授業・学校行事・その他を通して、意見提示等します。
3 参加
学校の〈公募〉に従い、モニター活動を展開します。
4 その他
モニタリング用紙を用いてその内容を記し、学校長に直接提示します。
様々な個性が在籍する本校では、本年度から標記の「学校メンター制度」を企画導入し、「試行」することを検討しています。在籍生の一人ひとりが、単位制高等学校に学ぶ際に直面するであろう学習に関する課題の解決や進路探求の支援等に資するためのシステム・アップです。例えば、本校の重要な教育実践として位置づいている〈テーマ学習I〉〈テーマ学習II〉そして〈テーマ研究〉が、自ら課題を設定し、自らの課題解決へ挑む学習試練であることを鑑み、テーマ指導教諭以外にもう一人の支援者が存在する制度としても理解されたい視点です。本校の学習者(生徒)は、こうした〈テーマ研究〉を自己の内側に形成しつつ、自己の将来像に近接していくわけですが、もうひとつの支援者の存在は欠かせないほどの重要性を堅持するものと確信しています。また、所謂学年進行制の高等学校とは異なり、学校内での居場所がなかなか定まらない学習者(生徒)の心的な支援者、さらに学校生活での生活の在り方等に関する支援者として、メンター(支援者)の存在は重要を極めるものと捉えています。
このメンターの担当者は、先生方はもとより、校長をはじめ事務長や事務職員も担当者となり、特に新入生を対象としてのメンタリングの研究を、生徒成長支援グループを中心に検討を開始しています。HR担任、部活動顧問以外に、学習者(生徒)の要請指名に従いもうひとりの〈支援者〉としてのメンターが登場することで、学習者(生徒)がより一層本校への帰属意識を増し、学びへの確実な自己啓発が形成され「自己実現」を効果的に果たすであろうことを心から念願して止みません。
本校に在籍する664名の学習者(生徒)の数、即ち「664の時間割」が存在しています。通学に資するための制服もありませんし、学校指定の体操用ウエアもありません。細かな校則も特にありませんが、教育に資する「学則」は存在していますし、先に述べました〈教育目標〉、〈教育方針〉は明在しますし、年度毎に、校長が定める「学校目標」は本校の行方を見定めるものとして堅固に学校内外に提示されます。
縷々述べてきましたが、本校で最も重要な精神は、自己の責任で〈自己の学び〉を深め続ける意志の堅持と〈自分が他に対して何をする事ができるか〉を考え続け行動し続ける意志が殊更大切です。既述しましたとおり、本校には様々な経験を経、人としての在り方や生き方を模索する学習者(生徒)が一緒に勉強しています。まさに「664の時間割」によって664名の学校生活パターンが生じ、それぞれの人権や人格を尊重しながら、それぞれの自己を実現しなければなりません。人としての生きるマナーや人間としての優しさを常に追求しながら、学校生活を形成して欲しいと念願しています。言うまでもなく週1度のホームルーム活動があり諸連絡や行事の話し合いをします。また他にガイダンス・ルームとカウンセリング・ルーム[通称“ほっとルーム”](共に校舎1階)があり、指定日にカウンセラーが細やかな対応に当たっています。
またご案内のとおり、校舎は10階建で、世界の貿易港“横浜港”やベイブリッジが一望される現代的な明るい建物で、冷暖房完備です。加えて障害のある学習者(生徒)に対しても、例えば今年度4月校舎の1階、3階にウォシュレットトイレを完備し、更にマルチメディア学習室など止むなく段差が生じている学習室に入室するための移動式スロープを完備しました。本校は、まさに“ノーマライゼーション”から“メインストリーム”への国際的な取り組みをしっかり受け止めながら、障害をがあろうともごく自然に学習することが可能であることを大切に考え、他の入学生と区別なく迎え入れる意志を堅持しています。実に196を数える科目の学習に的確に対応する専門の学習室(※教室)やトレーニングルームなども備えられて、他にほぼ500名を収容できる多目的ホール、LL学習室、スタジオはもとより、コンピュータ学習室・福祉総合学習室等、また個別の音楽練習室、茶室、食堂、ラウンジ、テニスコート、温水プールなどの最新の教育施設を整えています。
本校に学ぶ学習者(生徒)が、こうした施設・設備を活用し切ることで、また活用しつつ確かな自己実現を果たすための〈教育課程(カリキュラム)〉を学校として常に検証することで、次代を着実に担う人としての成長を遂げてくれることを心から願っています。人が人として信頼し合い、互いを認め合うことが重要な要素であると同時に、一人ひとりの学習者(生徒)が自らを常に振り返りつつ、自らの可能性を心に秘めながら〈自恃〉の心持ち(※自分自身を容易に諦めず、自分自身を頼みにする心)を高らかに保持しながら、自らの“個性値”を伸長させることのできる環境づくりを尚一層推進して行きたいと考えます。
最後に、学習者(生徒)の“学び”の有効なメンター(支援者)としての、本校保護者会(パートナーズ)の一端をご紹介しましょう。
「パートナーズ」とは他の高等学校で一般的に呼称されているPTAと言えるものですが、本校では創立当初からその名を“パートナーズ”と呼び合い諸活動を継続的に展開しています。先ほど“メンター(支援者)”と言いましたが、その活動主旨は違うこと無く一人ひとりの学習者(生徒)の学習環境整備の確実な支援に置かれ、様々な支援活動を展開しています。また学習者(生徒)の“学び”への支援と共に、パートナーズ会員相互が「神奈総」を“舞台”として、一人ひとりが学校とのパートナー・シップに則りながら様々なボランティア・ファミリーを構成しています。4月当初の土曜日には、その登録や諸活動のため200名以上の保護者が参集し当該年度の活動を始めます。先述した〈学校モニタリング・システム〉の隠れたエネルギーは、そうした〈パートナー・シップ〉の賜です。
折々に、学生時代に大学図書館の一隅の小暗がりで読んだ書籍の一節をおぼろながら思い出して、暫し静かな驚きのようなものに浸ることがあります。例えば、校舎を巡回し、出会った学習者(生徒)たちと話し込んだ後や、各学習室の学習状況を拝見した後に不意に、気持ちよく吹き抜ける一陣の風の中でそれらを思い出しています。
新年度が始まって直ぐ、多目的ホールの集会の際、評論家小林秀雄の『人間の建設』の一節を、不正確ながら記憶に辿りました。帰宅して後、小林秀雄『新訂小林秀雄全集別巻 I 人間の建設』(新潮社刊)を本棚から捜し出して正確に読み返してみました。
その一文とは、次のようなものでした。
ベルグソンは若いころにこういうことを言ってます。問題を出すということが一番大事なことだ。うまく出す。問題をうまく出せば即ちそれが答えだと。
たとえば、命という大問題を上手に解こうとしてはならない。命のほうから答えてくれるように、命にうまく質問せよという意味なのです。
本校の学習者(生徒)の皆さんは、一人ひとりの目的や目標を自ら自覚しながら実によく活動します。その“活動”も素晴らしく目もあやな成果を修めています。仲間と協同しながら、主体的にそして果敢に“活動”を展開しているのが常です。多様な個性を輝かせながら、時に思案し悩み、時に応分な協議を繰り返しながら学習し、部活動を積み上げ、現代社会の課題や学問的な志向をも提示してくれます。
そうした在籍学習者(生徒)の眼や姿勢を捉えながら、ベルグソンの言葉、小林秀雄氏の評論の一節を我知らず想起したわけです。私たち大人が、否私たち教職員が「学校」という言わば失敗を恐れてはならない“実験室”で発し続ける「問題」こそが、今問われていると考えて止みません。言うまでもなく、在籍学習者(生徒)一人ひとりが大切な存在であり、その一挙手一動を実に丁寧に、実に素早く的確に理解し、じっくりと熟慮しながら発すべき「問題」を真摯に推敲しなければならないことは言うまでもありません。その意味からも、私たち大人が、そして教職員が「自分」の日々(にちにち)を感性豊かに生きる必要があると考えています。加えて、一人の教員としてまた一人の人間として、自分自身が生きて獲得した〈言葉〉を用い、果敢に〈自分自身〉を語り続ける意志を堅持することが求められていると考えて止みません。
また、新入生と共に、恒例の1泊2日の〈宿泊オリエンテーション〉に出掛けた折にも、ある詩人の言葉を思い出していました。県立足柄ふれあいの村(南足柄市広町)の緑鮮やかな杉の林道を、大雄山線の終点駅(大雄山駅)に向かって木漏れ日の下を歩きながら、これも不正確ながらゆっくりと想起した一文でした。
何でこんなことをいちいち断わるかというと、人の言うことを次から次へと勘違いして歩く人があるからだ。僕は、これもひとり合点なのだが、大切なことならば誤解されてもかまわないと思っている。大切なことは誰にでも理解されるというわけには行かないもので、それでもその大切なことはそれをまともに聴く耳を持っている。
中野 重治『素僕ということ』筑摩書房刊〈ちくま日本文学全集『中野重治』〉
今年度4月本校は、211名の新入生を迎え入れました。私たち教職員は、新しい学習者(生徒)の入学を心から歓迎し、“神奈総”で共に学び共に生きることを誇りとしています。先述した〈宿泊オリエンテーション(県立足柄ふれあいの村)〉からの帰途、新入生たちの最後尾を、杉林からの木漏れ日を満身に浴びながら歩いていて、「大切なことならば誤解されてもかまわない」「大切なことは誰にでも理解されるというわけには行かない」から「それでもその大切なことはそれをまともに聴く耳を持っている」ことに、しっかり気付いて欲しいと、愉快に話しながら歩き続ける新入生たちの背中に語り続けていました。
人や自分へのたおやかな優しさが実に大切であること、臆面もなく、また素直な気持ちで人間を愛し続ける意志が、生きる上で重要なファクターであること、学び続けることで自らの“個性値”を伸長させることが真の自己実現を果たすステップであることなどを、本校は、今年度も、一人ひとりの学習者(生徒)と真っ直ぐに向き合いながら考え続けて行きたいと明確に意志しています。
様々な思いを乗せて、また一人ひとりの学習者の〈夢〉と〈希望〉をしっかり刻みながら一歩ずつ進む本校「神奈川県立神奈川総合高等学校」は、世界を訪ねて止まない大きな客船のイメージを描きながら、「明日を願う心のあれば 地球は我等のフィールドとなる」「夢をつなぐ空と思えば はばたく力は我にみなぎる」と校歌に謳われているように、日々、想像力(イマジネーション)から創造力(クリエーション)への発展を意図しながら、着実に〈進化〉します。そしてここに、〈夢をつなぐ空へ 真の“個性値”よ輝け!〉、と心から願わずにはおれません。
そしてさらに、世界の7つの海を巡る〈大きな客船〉に一人ひとりの学習者(生徒)を乗せて“地球”を1周しつつ、それぞれの目的地に学習者一人ひとりを確実に運ぶ努力を重ねながら、“真の学び”を追究すると共に常に「新しい知の創造」を目指すことを、ここに、学習者(生徒)共々声高らかに宣します。