健康のため禁煙して代わりに吸っていた電子たばこが、“凶器”となってしまった。
米フロリダ州の消防局などによると、13日夜、男性がいつものように電子たばこを吸ったところ、突然爆発。顔にやけどを負い、前歯が折れ、舌の一部も欠損する大けがを負った。消防局によると、原因は電子たばこの充電式バッテリーの爆発とみられるという。電子たばこのメーカー名などは明らかになっていない。
地元テレビによると、男性は写真家で退役軍人。約2年前から、禁煙する代わりに電子たばこを愛用していたという。
米の業界団体「TVECA」は公式サイトで、2007年に米国で電子たばこが発売されて以来、同様の事故は1件もないと指摘した。
電子たばこは紙巻きたばこに似た形で、液体の入ったカートリッジを口元に取り付け、電気による熱で気化した霧状の蒸気を吸う器具。火を使わないため、タールなどの物質を吸引する心配がなく、副流煙による他人への健康被害もないことが宣伝文句となっている。
米国では半数の州でレストラン、バーなどでの喫煙を禁止しており、世界保健機関(WHO)によると、喫煙人口は17%(2007年)という。
日本国内で電子たばこを販売している会社によると、国内で販売されている製品は10年8月時点で27銘柄で、ほとんどが中国製。中国の電子たばこメーカーの中には、同国製の粗悪なリチウムイオン電池を使用しているケースもあるという。
同社によると、電子たばこの国内販売は10年10月のたばこ値上げ前後がピークで徐々に減少。喫煙者2279万人(11年11月、JT調べ)のうち使用者は「数%程度ではないか」という。
(紙面から)