名古屋−大分 後半、2点目を決める小川(右)=実相寺サッカー競技場で(佐伯友章撮影)
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名古屋グランパスは21日、大分県別府市の実相寺サッカー場で大分トリニータと練習試合(45分ハーフ)を行い、3−1で勝った。左アキレスけんを痛めているMF小川佳純(27)が故障の影響を感じさせない鋭い動きで2得点。開幕への不安を払拭(ふっしょく)した。これで13日間にわたる別府キャンプが終了。チームは2日間のオフをはさみ、24日から名古屋で再始動する。
終わりよければすべてよし。アキレスけんの痛みに苦しんだ小川がキャンプ最終日に真価を発揮した。開始早々、左サイドからのFW金崎のクロスを左足で直接ゴールへ流し込んでまず1点。後半半ばにも再び金崎のパスをゴール前で受け、冷静にファーサイドへ蹴り込んだ。
小川は「両方とも夢生(金崎)がいいボールをくれた。正直言うとまだ痛みはあるけど、最後はいい形で終われたと思う」。練習試合とはいえ2得点。気持ちが悪かろうはずがない。
一時は深刻なアキレスけんの痛みに襲われていた。「くつをはくのも痛い」という激痛で17、18の両日はボールを蹴ることすらできなかった。まだ痛みは残っていると言うが、それでも結果を残すのだから役者が違う。小川にとってダニエルが加わった新・3バックシステムでの実戦は初めてだったが、難なく適応してみせた。
課題としていた「得点力」にも向上の兆しが見えた。昨季は全34試合に出場したものの、得点数は「3」と伸び悩んだ。小川は「今季は得点にこだわりたい。練習からシュートに力を入れていく」と語っていただけに、大分戦でのゴール連発は吉兆。これにはストイコビッチ監督も「小川はどこからでも得点できる選手だ」とご満悦だ。
小川は「キャンプでいい準備ができた。(ACLの初戦がある)3月7日に向けて、さらにコンディションを上げていく」。頼れる選手会長の全快宣言だ。 (木村尚公)
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