カブール(CNN) アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)の兵士らが、イスラム教の聖典「コーラン」を焼却したとの情報が流れ、首都カブール近郊のバグラム空軍基地周辺で1000人規模の抗議デモが行われた。
NATO当局者らは、バグラム基地で複数のコーランを含むイスラム教関係の文書が誤って処分されたことを認めた。ただ、このうち大半は回収できたとして、焼却された文書があったかどうかは不明との立場を示している。
ISAFのアレン司令官はアフガン政府や国民に「心から謝罪する」と述べ、「意図的な行為でなかったことは確かだ」と説明した。
問題の文書は、同基地で働く地元市民らが焼却ごみ置き場に捨てられているのを発見し、当局者らに知らせた。アレン司令官は「われわれはこれを聞いてただちにストップをかけた」と話した。
イスラム教ではコーランの扱い方が厳しく定められ、触れる前には身を清めなければならないほど。焼却などの行為は許されない冒とくとみなされる。
米国で昨年、フロリダ州のキリスト教牧師がコーランを焼却する集会を計画した際には、アフガン各地で激しいデモが起き、当時ISAFを率いていたペトレアス司令官も牧師を強い言葉で非難した。