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経済
【情報の未来 第1部(3)】編集者の苦悩…誰がニュースを選ぶのか
刻々と届く膨大なニュースを前に、産経新聞東京本社の近藤豊和編集長(47)は赤ペンを手に大机へ向かっていた。午後2時、東京・大手町の同社編集局。複数いる編集長のうち、この日の当番として1面のニュースを選んでいた。
政治部、社会部など8つの出稿部が特ダネを売り込みに来る。通信社からは「朝刊メモ」と呼ばれる記事の配信予定が十数ページ送信されてくる。テレビは最新のニュースを伝えている。
「1面に収容できる記事は3、4本しかない。何がより多くの読者に必要とされる情報なのか。日々模索、試行錯誤している。インターネットがそれに拍車をかけているように思う」
隣の長机ではニュースサイト「MSN産経ニュース」の編集が続いていた。サイト上では、紙面には載らないニュースもしばしばネット利用者から選ばれ、ランキングの上位となる。
ニュースをネットで読む人が増え「新聞離れ」が進む中、朝日新聞は昨春から東京本社版の1面題字下に「本日の編集長」として当番編集長の氏名の掲載を始めた。同社は「『顔の見える紙面』をめざす取り組みの一環だ。紙面作りにはツイッターなどの情報も参考にしている」と説明する。
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東京都内にある大手IT企業の男性役員(44)は電車内で、携帯電話のアイフォーンを手に「自分にとってのニュース」を選んでいた。「RSSリーダー」という機能により、あらかじめ登録したニュースサイトやブログの新着記事が一覧表示される。読みたい記事へ印をつける。
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