合成麻薬ＭＤＭＡを一緒に使用した銀座ホステスの救命を怠り死亡させたとして、保護責任者遺棄などの罪に問われていた元俳優の押尾学被告(３３)に対し、最高裁は１５日までに上告棄却の決定を下した。懲役２年６月の実刑が確定したことで、最長３年６か月の間、オリの中に入る押尾。以前から本気で脅えていた〝忌まわしい不安〟がつきまとう服役生活が、いよいよ始まる。

押尾被告は上告棄却後、弁護人を通じ「非常に残念で納得できない」とコメント。今回の決定で２００９年に確定していたＭＤＭＡ使用による麻薬取締法違反罪での懲役１年６月、執行猶予５年の執行猶予が取り消される。今回、確定した２年６月と合わせて懲役４年。そこから未決勾留期間の１８０日間が差し引かれ、最長で３年半は服役することになった。
近く東京高検に出頭後、東京拘置所へ収監され、適正検査や面接などを経て、入所する刑務所が決定する。初入者で刑期が１０年以下の場合、収監先は東京矯正管区内の喜連川社会復帰促進センター(栃木・さくら市)、黒羽刑務所(栃木・大田原市)、静岡刑務所(静岡・静岡市)、長野刑務所(長野・須坂市)、横須賀刑務所(神奈川・横須賀市)のいずれかが慣例だ。
黒羽刑務所で受刑生活を送ったことがある作家の本間龍氏は「長野刑務所は堀江貴文受刑者がいるので有名人同士は避けられる。かつて清水健太郎受刑者や田代まさし受刑者が入っていた黒羽刑務所が有名人の扱いに長けていて、有力でしょう」と指摘する。
押尾被告は映画やマンガの影響から刑務官や受刑者からのイジメや同性愛者との共同生活に相当な恐怖心を抱いているという。「暴力団がいる累犯の刑務所では殴り合いとかもあるが、初入者の刑務所でリンチに遭うとかはない。ケンカをすれば仮釈放が延びるだけで、吹っかける相手もいない。まして押尾被告は有名人ですので独房に入り、他の受刑者と一緒になる時間も少ないので、危険な目にさらされることはない。ただ、同性愛者は多い。押尾被告は見た目が良いですからモテるでしょう」(本間氏)
あの田代受刑者も同性愛者からラブコールを受けたことを明かすなど、有名人は特に好奇の目にさらされる。一方で刑務作業に特別扱いはなく、封筒や紙袋ののり付けなどの単純作業から、優等生ポストともいわれる食事の配膳係や工場の計算係などさまざまで、受刑態度や人間性などで判断されるという。