東京電力は20日、柏崎刈羽原発で停止中の1、7号機で実施した安全評価(ストレステスト)1次評価について、柏崎市と刈羽村の両議会に説明した。その中で、地震や津波に対する裕度(余裕があるか)について、約10カ所で設計時の安全基準とは異なる新たに設定した数値を用いて結果を出したことを明らかにした。結果的に設計時の値を用いるよりも裕度が増した。
東電によると、たとえば7号機の原子炉再循環ポンプを回すモーターを覆っているカバーの揺れについて、数値を導くための条件を見直し、設計時の値を用いるよりも、裕度は高く出ているという。東電は「ストレステストは機能の限界を見極めることが目的。設計時は何年も前のもので、現状の知見で正しい限界点を見極めるようにしている」と話した。
東電の説明に対して議会側からは「(設計時と別の数値を用いるのは)不適切ではないか」などの疑問が指摘された。
このほか、東電は1、7号機のストレステスト2次評価を数カ月以内に完成させることや、安全協定を結んでいる2市村を除く県内28市町村にも両市村のように説明をしていくことなどを報告した。
同じ内容の住民説明会が20日夜は刈羽村で開かれ、21日夜には柏崎市で開かれる。【宮地佳那子】
毎日新聞 2012年2月21日 地方版