宗教活動を巡り、中国政府がチベット族の人たちに対する締めつけを強めるなか、国際人権団体は、インドで行われた宗教行事に参加したあと、中国のチベット自治区に戻った数百人のチベット族の人たちが、警察に拘束されたと発表しました。
ニューヨークに本部を置く国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、去年末からことし始めにかけてインド東部のブッダガヤで行われた、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世による法要に参加したあと、中国のチベット自治区に戻ったチベット族の人たち数百人が、今月に入って地元の警察に拘束されたと発表しました。
拘束された人たちは、自治区の中心都市ラサのホテルや軍の施設などに収容され、厳しい取り調べや思想教育を受けているとしています。
これについて、中国外務省の劉為民報道官は、17日の記者会見で、「具体的な状況はよく分からない」と述べ、事実関係について明言しませんでした。
一方で、劉報道官は、チベット族の居住地域で、外国人観光客の受け入れを一時中止したことや、寺院や一般家庭に対する愛国教育の強化など、締めつけを強めていることについて、「国内外の勢力がチベットの独立を画策しており、社会の安定を確保するためには必要な措置だ」と述べ、正当化しました。
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