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光市母子殺害:「少年の更生を否定」…弁護団が声明

 元少年の弁護団は記者会見などは開かず、声明を発表し「3対1」で死刑を支持した最高裁判決を批判した。

 声明では「元少年は逮捕以来13年間、社会から遮断された中で被害者の無念と遺族の憤りを真摯(しんし)に受け止め、反省の日々を送っている。しかし裁判所は被告の姿勢に目を向けようとせず、更生可能性を否定した」と指摘。「元少年は(父親からの)虐待で成長が阻害され、実質的には18歳未満の少年だった。未成熟な少年に死刑を科すことはできない」と改めて訴えた。

 第1次上告審段階から、死刑廃止運動のリーダー格として知られる安田好弘弁護士らでつくる弁護団で新たに臨んだ差し戻し審。弁護団は最高裁弁論を欠席し、裁判所が初の「出頭在廷命令」を出す展開に。元少年は殺意否認に転じ、弥生さん殺害は「甘えたい気持ちで抱きついたら抵抗され、体を押さえたら動かなくなった」、夕夏ちゃん殺害も「首にひもを巻き付けたことの記憶がない」といずれも否認し、傷害致死罪にとどまると主張した。

 弥生さんへの強姦(ごうかん)は「復活の儀式」で、夕夏ちゃんの遺体を押し入れに入れたのは「ドラえもんが何とかしてくれるという思いから」と説明した。これに遺族の態度は硬化し差し戻し控訴審判決も「虚偽の弁解をし、死刑回避の事情も見いだせなくなった」と厳しい評価を加えた。弁護団は今年1月の弁論で「いま一度、真実は何かが審理されなければならない」と再度の差し戻しを求めていた。

毎日新聞 2012年2月20日 21時23分(最終更新 2月20日 23時11分)

 

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