阪神・淡路大震災で被災した伊丹市立北中学校(同市清水4)で阪神・淡路と東日本の二つの震災を考える展示会が開かれている。母校の被災経験を授業などで知った生徒たちが、東北の被災地に思いを寄せて描いた絵や文章が展示されている。(大山伸一郎)
17年前、同校の校舎は柱が折れるなど使用不能になった。体育館は当初、住民の避難所に利用され、授業は1年間、校庭のプレハブ教室で行われていた。
当時同校に在籍していた川勝健二校長と佐藤幸宏教頭は、昨年の東日本大震災を受けて阪神・淡路の記憶を「風化させてはならない」との思いを強め、同校に残る当時の写真や資料を生徒に伝える方法を考えていた。
昨年末、同校の奥谷恭輔教諭がボランティアで東北の被災地に入る際に生徒から大量の文房具などが寄せられ、被災者に思いを寄せる生徒の気持ちを知った。川勝校長と佐藤教頭は、同校の被災資料と、生徒の作品を並べる展示を企画した。
会場には17年前のプレハブ教室での授業風景と、東日本大震災の惨状や奥谷教諭が支援物資を届けたときの様子などを伝えるパネル写真が並ぶ。
東北の被災者を思って描いた美術部員の作品も傍らに。1年生の女子(13)は「どんな状況でも助け合って生きることが大切、と実感した」といい、がれきの町で心配そうに手を差し出す少年を描いた。
毎年、阪神・淡路大震災の犠牲者を悼む活動を続けている生徒会も展示に協力。今月25、26の両日には計10人がボランティアグループの案内で宮城県入りする。2年生の男子(14)は「小さくても、今できることをしたい」と話す。
3月11日まで。2月27〜29日はオープンスクールを実施し、見学可能。
【特集】東日本大震災
【特集】阪神・淡路大震災
(2012/02/21 12:11)
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