期待の若手の一人、久保(右)を指導するザッケローニ監督=大阪府内で
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サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(58)が20日、代表合宿に初招集した若手3人を、最終予選を突破してロンドン五輪本大会に臨む場合のU−23日本代表に推薦した。24日のアイスランドとの親善試合(長居)に向け、この日から、大阪府内でのA代表合宿を開始。「ご褒美」として招集したという京都FW久保裕也(18)、鹿島MF柴崎岳(19)、名古屋MF磯村亮太(20)を、「五輪に向けた新チームの核になる」と絶賛した。
2012年日本代表の始動を飾ったサプライズ招集は、3人の金の卵、そして遠くシンガポールにいるU−23日本代表・関塚監督へのメッセージだった。初練習を終えたザック監督は、若手3人について問われると、おもむろに切り出した。
「これはある意味、昨シーズンのパフォーマンスに対するご褒美の招集だ。3人に言おうと思っていることがある。彼らは現時点では代表の選手ではない。ただ、自分たちが望めば近い将来そうなれるだろう」
現時点でA代表にふさわしい力量はないと明かしたが、一方で「この3人は、今の五輪予選が終わったら、新チームの核になると思う」と続けた。
3人は1月のグアム合宿にすら招集されなかった。佳境を迎えているロンドン五輪最終予選には、もう間に合わない。しかし7月下旬の本大会までは十分時間はある。ザック監督は「関塚監督とは直接話したわけではないが、これは通常の招集ではない」とA代表に呼んだ意味を強調した。
その3人は、初日とあってやはり緊張が目立った。18歳の久保は宿舎集合時から表情がこわばりっぱなし。フォーメーション練習で打った5本のシュートをすべて外し、「緊張しました。プレーも硬かったですね」と小声で振り返った。それでも、「(ロンドンで)核を担うという責任をもってやっていかないといけないと、肌で感じてもらいたい」という指揮官の思いは、しっかりと届くはずだ。 (宮崎厚志)
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