このほか専門家たちの意見を集約すると、自宅に備えたいものは以下の通り。
災害用ブランケット、軍手、箸・フォーク・スプーンのセット(以上、家族の人数分)、手回し発電式ラジオ、懐中電灯、電池、カセットコンロ、ボンベ。家族構成によってはおむつやナプキンも用意しておこう。ロウソクやロープなどが入った防災セットも市販されているが、「直火は危険だし、素人が縄梯子を作って逃げられるわけでもないので不要では」(前出・渡辺氏)。衣類についても非常時には当面、着の身着のままでよいという意見が多かった。
一方、気になる水と食料は何をどれくらい備蓄しておけばいいのか。
立命館大学歴史都市防災研究センターの高橋学教授は、「病気でもなければ、水は一人1日500mlでいい。それを家族の人数分×3日分でこと足りる。冷蔵庫に食品がたくさん入っているなら、3日間は特別な備蓄がなくても、十分間に合うはずです」という。阪神淡路大震災の経験などから、多くの専門家が備蓄は公的支援が始まるまでの3日分でよいとしている。
前出の渡辺氏も冷蔵庫を活用するという。震災後に停電したらすぐにガムテープで冷蔵庫の扉と本体の隙間を目張りして冷気を蓄える。2~3日後には冷凍食品が解け始めるので自然解凍した食品で少し贅沢な食事を楽しむことができる。
「おいしいものを食べるとストレスもやわらぎます。ただ被災後は必ずしっかり火を通したものだけを食べましょう」(前出・渡辺氏)
レジ袋+ティッシュ=トイレ
ただし前出の国崎氏は、3日という数字は想定が甘すぎると警告する。
「首都圏の大震災となると、被災人口が桁違いになる。私は3日目に救援物資が届くというのは夢物語だと考え、食料や水は10日分用意しています」
だが、それにしては廊下に乾パンなどが積み上げられているわけでもない。いったいどこに保管されているのか。
「冷蔵庫に保存のきく漬物、ジャム、ドライフルーツ、干物などを常備しているのです。野菜は茹でて冷凍しておきます。停電の際には冷凍品が保冷剤代わりにもなるからです」
一方、水について国崎氏は他の専門家より多めの一人1日2l程度として計算し、20lのタンクを家族の人数分である5本用意している。かなりのスペースを取ってしまう水の備蓄だが、前出の渡辺氏は普段から家庭の中にある水を活用すればその量を減らせるという。
「トイレタンクを念入りに掃除しておけば8~10lが確保できます。また冷蔵庫の製氷器に氷を作っておけば数lかせげる。備蓄はずっと少なくて済むのです」
自宅の備えは万全でも、通勤・通学や買い物で家族が自宅を離れる時間は長い。こんなとき、地震が起きるかもしれない。外出時には何を持っていればいいのか。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は最低限のセットとして「小型ラジオ、携帯電話と予備の電池、500ml入りペットボトルの水、市販のマスク、絆創膏」を挙げる。
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