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科学
【放射能漏れ】循環注水冷却トラブル 急造設備 アキレス腱 福島第1原発
2012.2.21 00:23
[放射能漏れ]
原子炉建屋が吹き飛んだ福島第1原発4号機。使用済み燃料貯蔵プール上部の燃料交換機付近では作業員の姿があった。プールには1535本の燃料があり、平成25年末までの燃料取り出し着手が目標となっている=20日午後1時、福島県大熊町(代表撮影)
福島第1原発にたまった高濃度の汚染水は、放射性物質を取り除いて原子炉への再注水に使われている。浄化システムは短期間で完成させた急造設備で、部品劣化や凍結が原因とみられる水漏れが相次いでいる。耐震性も万全とはいえず、今後もトラブルが発生する可能性のある「アキレス腱(けん)」となっている。
破損した原子炉から注入した冷却水が漏れ、汚染水となって増え続けるのを防ぐために導入されたのが「循環注水冷却」。その中核となる汚染水浄化システムは、昨年6月の運転開始時から、水漏れや装置の停止など、再三トラブルを繰り返した。
国産装置の導入で処理が安定、建屋内にたまった汚染水の量も減らすことに成功し、昨年12月に冷温停止状態の宣言にこぎつけた。
ところが、本格的な冬を迎え、凍結による水漏れが続発し始めた。今月3日には、高濃度塩水タンクで水漏れが見つかり、タンク底部で毎時2千ミリシーベルトの高いベータ線が検出された。1月にも同型のタンクでボルトの緩みが原因の水漏れがあった。
いずれも気温の低下で鋼板が縮むなどして継ぎ目のパッキンが緩んだのが原因とみられ、東電は保温材を配管に巻いたり、ヒーターを導入するなどの対策を取ったが、抜本的な解決策にはなっていない。
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