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【神奈川】

阿部・川崎市長「合理的なら押し通す」 焼却灰も受け入れ 市民からは不安の声

記者会見した阿部市長=川崎市役所で

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 東日本大震災で発生したがれきの受け入れを表明した県に対し、がれきの焼却灰の埋め立て予定地の横須賀市が反対している問題。川崎市の阿部孝夫市長は二十日、事態の打開のため、市単独でがれきの受け入れと焼却灰の処理を行う構想を示した。ただ、阿部市長が昨年四月にがれきの受け入れを表明した際は、市民らから抗議が殺到した経緯があり、構想の具体化はまだ不透明だ。 (山本哲正)

 阿部市長はこれまでも記者会見で複数回、がれきの受け入れ方針を一貫して表明してきた。市環境局は「『受け入れ』も『市民の安全安心』も市長の大前提。市民への説明なしに『安心』はない」と、市長との一体性を強調している。

 ただ、阿部市長はこの日の記者会見で「反対の人が何人いるか。私は百四十三万人の市長。誰を代表するかということだ」と述べ、処分先の近隣住民を除けば説明会を開く必要はないとし、同局の見解と一線を画す姿勢を示した。

 さらに「私なりに合理的判断だと思ったら、押し通す。一人でも反対があって、筋が通って、なるほどそうだということなら別な検討をする」と自信を示した。

 同局によると、昨年十二月に黒岩知事ががれきの受け入れを表明後、市民から寄せられた意見は「少なめ」で、賛成、反対それぞれあったという。

 「子どもを放射能から守る会@川崎」の山本あづさ代表は「『被災地のため』も分かるが、原発を推進した人たちが事故や放射線の影響を低く見せる動きに惑わされないで。子どもや妊婦には放射能の影響力が皆さんとは大きく違うことも、どうか知って。分かってほしい」と訴えた。

 県が受け入れようとしているがれきは放射性物質濃度が一キロ当たり一〇〇ベクレル以下。県の計画では、川崎、横浜、相模原の三政令市ががれきの焼却を担当。焼却灰は横須賀市にある県の産廃最終処分場に埋め立てる。

 だが、焼却後は体積が減り、焼却灰の放射性物質濃度は上がることなどを理由に、横須賀市の地元町内会長は十七日、黒岩祐治知事と同市の吉田雄人市長に焼却灰の受け入れ反対を文書で表明。県の計画は難航している。

 

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