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実名本批判の毎日社説は著者の名誉を棄損せず 東京地裁判決

 山口県光市で1999年4月に起きた母子殺害事件の被告の元少年=死刑判決を受け上告中=の実名を掲載した書籍「A(実名)君を殺して何になる」をめぐる毎日新聞の社説で名誉を傷つけられたとして、著者の増田美智子氏と発行者の寺沢有氏が毎日新聞社に対し計2200万円の賠償を求めた訴訟の判決が6月21日、東京地裁であった。植垣勝裕裁判長は、「社説は出版倫理の観点から問題提起をした」と公益性を認めた上で「事実に基づいており、論評の域を脱したものとは認めがたい」などとして、毎日の名誉棄損を認めず請求を棄却した。

 社説は2009年11月11日付朝刊に掲載され、「当事者に知らせることなく出版しようとした行為は、いかにも不意打ち的だ」などと論じた。
 また、元少年側が申し立てた出版差し止めの仮処分に対する決定を待たずに増刷したことについて、「決定を待つのがせめてもの出版倫理」「利益優先との批判はやむを得ない側面もある」と述べた。

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