●多様な性を考える


性なる聖なる生――セクシュアリティと魂の交叉

虎井まさ衛・大月純子/河口和也 著
四六判並製 240頁 1700円
ISBN4-8461-0503-2 C0036 TRC MARK ナンバー;

セクシュアル・マイノリティーは、神からタブーとされる存在なのか? 性別 適合手術は神への冒なのか? 自らをポリセクシュアルと語る牧師と、性同一性障害で性別 適合手術をした男性の著者が、別々の視点から「聖なるもの」を語り、信仰とは無縁な人も含め、一人一人の性を自分らしく、今を生き生きと生きるために性と聖を見つめなおす。 (2005.3)

主内容]

はじめに 虎井まさ衛

I わたしらしく生きるために 大月純子
第1章 信仰とセクシュアリティの立場
1 キリスト教との出会い
2 セクシュアリティの立場
第2章 それぞれの視点から
1 セクシュアリティとは
2 幸せとは
3 死とは

II 一秒ずつ生きて幸せになろう 虎井まさ衛
第1章 信仰とセクシュアリティの立場
1 キリスト教との出会い
2 セクシュアリティの立場
第2章 それぞれの視点から
1 セクシュアリティとは
2 幸せとは
3 (この世の)死とは

III 鼎談 今を生きる 河口和也・虎井まさ衛・大月純子

あとがき 大月純子

『性なる聖なる生』解説 河口和也

参考文献

[著者略歴]  
虎井まさ衛(とらい まさえ)
作家。性同一性障害当事者・研究者・支援者のためのミニコミ誌「FTM日本」主宰。幼児期より性同一性障害に悩み、大学卒業後、渡米して女性から男性への性別 適合手術(いわゆる性転換手術)を受ける。その前後の1987年より、性同一性障害についての啓発活動を始める。全国を講演して歩くほか、東京都人権啓発ビデオ(2002、東映製作)への出演、「3年B組金八先生」第6シリーズへの協力など、性と人権について、教育現場やメディアを通 じてアピールすることにも力を入れている。本書の参考文献に取り上げられているものをはじめとして、多数の著書がある。

大月純子(おおつき じゅんこ)
1970年神戸生まれ。日本基督教団牧師。「わたしたちの性と生を語る会・広島」代表。「ジェンダー広島」運営スタッフ。「男女共同参画を考える会ひろしま」共同代表。1997年より広島に在住。広島にあるいくつかのセクシュアル・マイノリティのコミュニティに関わっている。セクシュアリティについての理解を深めるための講演を行ったり、講演会・ワークショップの企画を行っている。また、数年前より高校生とクラブ活動の中で、セクシュアリティについての理解を深めるためのプログラムを行っている。共著に『性の意味――キリスト教の視点から』(宮谷宣史編/新教出版社)、『プロブレムQ&A同性愛って何?』(共著、緑風出版)がある。

河口和也(かわぐち かずや)
広島修道大学人文学部教授。著書に『クイア・スタディーズ』(岩波書店、2003年)『ゲイ・スタディーズ』(共著、青土社、1997年)、訳書に『グローバル・セックス』(デニス・アルトマン著、共訳、岩波書店、2005年)。

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