'12/2/21
原発事故収束の道険しく 福島第1公開、高い線量が作業阻む
東京電力福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)が20日、報道陣に公開された。4号機で燃料プールから燃料を取り出すためのがれき撤去が進む一方、3号機では高い放射線量が撤去の
昨年12月に就任した
今回は経済産業省原子力安全・保安院による保安検査に伴う公開で、政府が原子炉の冷温停止状態が実現したとして事故収束の「ステップ2」完了を宣言した昨年12月以降初めて。
事故後では昨年11月に続き2回目となり、共同通信など国内外のメディア約30社が参加した。
保安検査は6日から行われており、保安院は冷温停止状態を維持するのに必要な循環注水冷却や汚染水処理など設備7種類の運用状況の確認を進めている。
20日は東電側に対し、汚染水処理で発生する放射性物質を含む気体の管理について説明を求めた。検査は24日に終了する予定。
報道陣は、事故対応の最前線となっている免震重要棟の緊急時対策室などを視察したほか、バスで敷地内を回った。
3号機タービン建屋前では、バス車内の放射線量が毎時1500マイクロシーベルトに一気に上昇。4号機南西側の高台で一時下車すると、4号機の原子炉建屋で作業員ががれきの撤去を進める様子が見えた。
1号機北側の高台では、トラックの荷台に載った原子炉への冷却水注水用ポンプ3台が稼働。隣に非常用のポンプも配置し、配管に凍結防止の断熱材が巻かれていた。
【写真説明】福島第1原発4号機で作業する人たち(右上)。左下には原子炉格納容器のふたが見える=20日午後、福島県大熊町(代表撮影)