‐今回、水戸黄門は終了しますが、続編を望む声というのは少なからずあると思います。仮に、里見さんがもう一度水戸黄門をやるとすると、どのような形に、という構想はおありですか。
「僕はね、今の形は崩さない方がいいと思う。このままの水戸黄門を続けていくことが大事だと思いますね。修身道徳を通していきたい。これが水戸黄門の絶対的な良さだと思うんです。日本人が見る限り、変わってはいけない」
‐里見さん自身は、復活してほしいお気持ちは。
「もちろん。この間も、スポンサーさんのお偉方といろいろ話をしたときに、私も芸能生活の半分はこの作品に身を預けてきた。打ち切りとなると、生んでもらった親に勘当を受けたような、寂しい思いがあるんです、というようなことを言ってしまってね。苦笑いをされてましたけど…。スポンサーさんにも、大変苦しい事情はあるんだと思いますから」
‐新しい時代劇の流れを作りたい。
「もちろんそうですね。時代劇は黄門だけじゃないですし、日本の時代劇のヒーローを、誰かがどこかで、年に2、3回でもやってほしいと思いますね。徳川時代の社会制度、押し詰められたヒエラルキーの中で、庶民が、侍が、百姓が、どうして生きていったかを知らせるものがあってほしいと思います」
‐75歳とうかがってもにわかに信じがたいほどお若いですが、まだまだ引っ張っていきたいと。
「そうですね。体にはまだまだ自信がありますし、自分が75だなんてまったく思ってませんから」
‐若さを保つ秘けつなどは。
「そうですね。月に4回は必ずゴルフをやって歩きますし、家で風呂に入る前に、毎日2・5キロの鉄アレイで運動してます。毎日5分でもやれば、筋肉は落ちませんから。精神的には、すべてにくよくよしないということ。世の中なるようにしかならないんだから、逆らっても逃げてもダメ。普通に歩いていけばいいんだという思いで毎日暮らしてます。それがいいんだと思うんですよ。イヤなことは、全部女房に押しつける(笑)。やってくれ、俺は知らん、ってね。すごくわがままで、女房はすごく苦労してると思うんですけど」
‐周囲の同世代の方と比べても…。
「そうですね。小学校の同窓会なんか行っても、『お前本当に同級生か?先生じゃないのか?』みたいなヤツもいますからねえ(笑)」
‐肉体的にも精神的にも、コツコツと前向きに行くのが一番。
「そうでしょうね。僕の座右の銘は『ゆっくりと、一歩』というんですが、昔からそう思っていたわけではなくて、ある年齢に達したときに、人間はコツコツと、他人に迷惑をかけずに、自分が一番いいと思った立場をを考えながら歩いていく、これが一番楽かなと思ったんですね。いっぺんにガリ勉しちゃいけないと思うんです。ここの俳優会館で、掛け軸を書いてくれと言われて、『不断の努力』と書いたんです。やったりやらなかったりはダメ。ちょっとでもいいから、断つことのない努力をしないといけないと」
‐そういう意味では、75歳にしてもまだ道半ばという感じですか。
「そうですね。何かをどこかで吸収したいなという思いですね」
‐ちなみに、里見さんは阪神ファンだとのことですが。
「もともとは、アンチ巨人から始まったんです。その中で、やはり巨人対阪神が一番熱っぽいので、阪神を応援するようになったというか。特に知っている人がいるわけじゃないんですよ。星野(仙一)さんは知ってましたけど。あと、バースがいたときには、ここでCM撮るたときに一緒に写真撮ったりはしましたね。で、この間、何年かぶりに会って、『Do you know me?』って聞いたら、『Yes,オサムライサン!』って言われました(笑)」
‐最近は監督問題などもありました。里見さんも、今や時代劇の頂点に立たれているわけですが、上に立つ者のプレッシャーというのもあるものですか。
「まあ、僕らは何かを指揮するということはないですが、人間だから、気分のいいとき悪いときがある。例えば撮影現場でも、上の人が『何やってんだ!!』というふうに本当に怒ったら、その日の撮影は沈んでしまう。そういう面は野球の監督にもあって、上手に選手を鼓舞することは必要なんでしょうね」
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里見浩太朗(さとみ・こうたろう) 本名・佐野邦俊。1936年11月28日生まれ。静岡県富士宮市出身。高校卒業後に上京し歌手を目指す。56年に東映第3期ニューフェイスに合格。57年、「天狗街道」で俳優デビュー。58年には「金獅子紋ゆくところ」で初主演を果たす。71年「水戸黄門」第3部に佐々木助三郎役でレギュラー出演し、88年の第17部まで務める。2002年の第31部から黄門役。その他「長七郎江戸日記」などでも主演し、時代劇俳優の看板的存在に。歌手としても活躍し、水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」も歌っている。
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