山口県光市で99年に母子を殺害したとして殺人や強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(30)の差し戻し上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は20日、被告の上告を棄却する判決を言い渡した。広島高裁差し戻し控訴審(08年4月)の死刑判決が確定する。
【「なるべく努めて、落ち着いて臨む」】差し戻し上告審判決前に元少年が語ったこと
少年法は18歳未満への死刑を禁じており、事件当時18歳と30日だった被告に死刑を選択すべきかどうかが最大の争点だった。検察の死刑求刑に対し、1審・山口地裁判決(00年3月)、2審・広島高裁判決(02年3月)はともに立ち直り(更生)の可能性を重視して無期懲役とした。しかし、最高裁判決(06年6月)は「年齢は死刑回避の決定的事情とはいえない」として無期懲役の判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。
差し戻し控訴審判決によると、元少年は99年4月、山口県光市の本村洋さん(35)方に配水管検査を装って上がり込み、妻弥生さん(当時23歳)を絞殺して強姦。長女夕夏ちゃん(同11カ月)も絞殺した。【石川淳一】