光市母子殺害、元少年の死刑確定へ
13年前、山口県光市で母親と幼い娘を殺害した罪に問われている当時18歳の元少年について、最高裁判所は元少年側の上告を退ける判決を言い渡しました。元少年の死刑が確定します。
「決してうれしいとか喜びとか、そういった感情は一切ありません。厳粛な気持ちで受け止めなければならないと思っています」(本村洋さん)
上告が棄却され、死刑が確定することになったのは、犯行当時18歳の元少年、大月孝行、旧姓、福田孝行被告(30)です。大月被告は1999年4月、山口県光市のアパートで、当時23歳だった本村弥生さんと生後11か月の夕夏ちゃんの首を絞めるなどして殺害した罪に問われています。
被告が未成年だったことなどを考慮して無期懲役とした1審と2審の判決に対し、最高裁が審理の差し戻しを命じ、やり直しの裁判で広島高裁は死刑を言い渡していました。
最高裁は20日の判決で、「冷酷、残虐な犯行で、遺族の被害感情は峻烈を極めている」と指摘した上で、「真摯な反省はみられず、犯行時少年だったことなどを十分考慮しても死刑はやむをえない」として、大月被告側の上告を退けました。大月被告の死刑が確定することになります。
しかし、4人の裁判官のうち1人は、「被告の精神的な成熟度が相当程度低い可能性があり、審理を差し戻すべき」とする、死刑が確定する裁判としては極めて異例の反対意見を出しました。
「自分自身の犯した罪を見つめて、反省した状態で刑を堂々と全うしてもらいたい」(本村洋さん)
一方、大月被告の弁護団は判決を受けて、「裁判官の中に反対意見があるにもかかわらず、死刑を言い渡すのは、強く非難されなければならない」などとする声明を出しました。
犯行時に少年だった被告の死刑が確定するのは6人目で、犯行時18歳1か月だった被告の死刑確定は、記録が残る1966年以降で最も若い年齢となります。
なお、JNNでは、これまで元少年について匿名で報じてきましたが、最高裁で死刑判決が確定することによって、少年法がうたう更生と社会復帰の可能性への配慮が必要なくなること、今後、誰に刑が執行されるのかが匿名であってはならないと考えることなどから、実名報道に切り換えました。(21日01:51)
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