経済

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関西電力:全原発を停止 高浜定期検査、社長「再稼働に全力」

 関西電力は20日、保有する原子力発電所全11基の運転を停止した。高浜原発3号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)が定期検査入りしたため。代替の火力発電や他の電力会社からの買い取りで供給力を確保する一方、コスト増に伴う料金値上げは当面見送る。現行の総括原価方式で値上げするには、発電設備に占める原発の比率を下げなければならないため、関電は早期の再稼働を目指す。経営再建中の東京電力と原発のない沖縄電力を除く他の7電力も値上げを当面見送る方針。経済性と安全性を巡り、国民と国、立地自治体、電力会社を巻き込んだ再稼働の議論は、新たな局面に入る。

 関電は同日午後11時、高浜原発3号機が発電を停止した、と発表した。原子炉は21日未明に停止する予定。関電の八木誠社長は20日の記者会見で、当面の電力需給は安定的だとの見通しを示した。その上で「原発停止は電力安定供給にとって危機的。再稼働に全力を尽くす」と述べた。

 高浜原発3号機の停止で、全国の商業用原子炉54基のうち、稼働中は東電柏崎刈羽原発6号機(新潟県柏崎市、出力135・6万キロワット)▽北海道電力泊原発3号機(北海道泊村、同91・2万キロワット)の2基で、共に定期検査のため4月末で停止する。【横山三加子】

毎日新聞 2012年2月21日 東京朝刊

 

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