引き続き、リアル30's取材班に寄せられた反響をほぼ全文で紹介します。毎日新聞の日刊タブロイド「MAINICHI RT」でも後日紹介し、関連ツイートも掲載します。転載可能な感想、ご意見にはハッシュタグ #rt_30を付けてください。【まとめ・鈴木敦子】
20年以上前なら、科学は発達して、人口も増えて、年金ももらえて、給料は増えて、家を持って、子どもができて、孫ができて、社会もよくなるという、「きっと今日よりいい明日」というのが、社会全体で無意識に前提とされていたのでは。90年代でも、また景気はよくなるんじゃないかという感覚はあったのではないか。
私たち30代の世代は、そういう時代は完全に終わったことを肌で実感として知った最初の世代だと思う。そして単なる最初の世代でしかない。20代、10代も同じようなメンタリティーが育つだろう。そういう意味で30代が特殊だとは思わない。
さらに、「君たちは貧乏くじを引くんだ」とはっきり言われながら年金や保険料を納めている世代。損するのが分かっていながら、強制的に保険に入らされている世代だ。年金も、会社も、ねずみ講を前提とした構造になっているから、我々は貧乏くじを引くのを分かっていて、そのシステムに強制的に入らされている、もしくは入らざるをえないという不条理の中で生きている。
そしてそれをはっきり分かっている上の世代の政治家は見て見ぬふりをして、票の多い世代にすりよっているというのもはっきり見えている。現在、もっともバカをみる、貧乏くじを引くのは一番若い世代、子どもたち、幼児たちだが、彼らには投票権もない。一番おいしい思いをしているのは上の世代だが、彼らは団塊となって自分の世代の利得を守ることができる。
同じ日本人同士で、上の世代が下の世代を食い物にしている構造の中で生きている。こういう環境が鬱屈感を引き起こしているように思う。
親と同居するフリーターに一言。普通に考えて、親は自分より先に死ぬ。今はご両親のお陰で生活できるだろうが、ご両親がいなくなったらどうするのか。その時になって考えたらいい、と思っているのかもしれないが、急にどうにかなるものではないと思う。
親は、自分の死後も子どもがちゃんと暮らせていけるように、子どもに生活力をつけさせるのが義務だと思うし、子どもも「親はいつまでもいるものではないのだ」と自覚して、親がいなくても自分で生活できるように道を探るべきだと思う。
もちろん、「仕事は気持ちよく生きるための手段だ」という意見には賛成だが、それは自分の力だけでとりあえず生きられるぐらいの生活力のある人になって、初めて吐けるセリフなのではと思う。
厳しい意見かもしれないが、この(低収入のフリーターの)ままでは、ご両親が亡くなったら一緒に死ぬしかなくなってしまう。ご両親もそのことをよく考えて、子どもを庇護(ひご9するのではなく、時には突き放すことも考えなければならないと思う。
かく言う私も、一般企業での就職経験は皆無だが、親の世話にならずに暮らせるように必死でがんばってきた。それは小さいころからいつも、「いつまでも、あると思うな、親と金」と言い聞かされて育てられたからだ。
フリーターでも構わないが、自分で独り立ちできる道を今のうちに探らなければと思う。
2012年2月20日