2011年12月23日 20時1分 更新:12月23日 20時30分
政府・民主三役会議が23日、首相公邸で開かれ、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の建設再開を正式に決定した。民主党側はダム本体工事費の12年度予算案への計上に反対したが、最終決定は政府側に委ねることを容認した。これにより、民主党の09年衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉公約だった八ッ場ダムの建設中止は正式に撤回されることになり、主要公約はことごとく未達成に追い込まれた。
会議には、政府側から野田佳彦首相、藤村修官房長官、党側から輿石東幹事長、前原誠司政調会長、樽床伸二幹事長代行らが出席した。
前原氏は「予算案に計上するなら党として反対する。閣議決定させることはできない」と反発しており、党として本体工事費の計上に反対する意向を改めて伝えた。輿石氏は「政調会長一人に責任を負わせるわけにはいかない」と前原氏に同調、樽床氏も再開反対の意向を伝えた。
ただ、政府側は22日に示した官房長官の裁定に沿って進める方針を譲らなかったことから、党側が折れ、最終決定は政府側に委ねることになった。前田武志国土交通相は22日に建設再開方針を既に地元自治体などに伝えており、党側がこれを事実上追認した。
予算の執行にあたっては裁定を踏まえることも確認した。裁定は(1)利根川水系の河川整備計画を策定(2)建設予定地の生活再建法案の次期通常国会への提出を目指す--の2点を踏まえて判断するとしているが、2点は建設再開の前提ではなく、国交省は早期に建設を再開する方針とみられる。【野口武則、青木純】