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【プロ野球】

宮国 地元沖縄で完全デビュー 3イニング4奪三振

2012年2月20日 紙面から

◇オープン戦 巨人1−0阪神

阪神打線を3イニングパーフェクトに抑え笑顔で報道陣の質問に答える宮国=沖縄セルラースタジアム那覇で

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 生まれ育った琉球の風が、背中を押してくれた。沖縄県糸満市出身の巨人・宮国椋丞投手(19)が、3イニングをパーフェクトピッチング。鳥谷、金本、城島らレギュラークラスが並んだ阪神打線から4三振を奪う快投で、オープン戦ながら1軍で初勝利。凱旋(がいせん)登板を完璧に飾った。

 「次から次へすごい打者が出てきた」と振り返った猛虎打線に果敢に立ち向かった。2回、金本を2球で追い込むと、3球勝負で投ゴロ。城島からは得意の直球で空振り三振を奪った。地元の星の勇姿に、超満員の1万6264人が詰め掛けたスタンドから大歓声と指笛の音色が降り注いだ。

 「真っすぐで負けないようにどんどん行けた。自分の中で、大きく成長できた部分だと思う」と宮国。自己採点は「80点。もう少しイニングを投げないと」と抑えめだったが、原監督を「持っている力を9割5分は出してくれた」とうならせた。

 シャイな表情の裏に、強気な一面を秘める。中学1年生だった2005年、2歳年上の兄と一緒に、夏の甲子園大会決勝を観戦した。現楽天の田中擁する駒大苫小牧が2連覇を達成した一戦。その際、土産店に売っていた甲子園の土が目に入ったが、かたくなに手を出さなかった。「オレも絶対に甲子園に行く。自分で土を取りに行くから絶対に買わない」。帰宅した13歳の少年は家族の前でそう宣言したという。

 プロ入りも熱い思いを貫いた。一時は大学進学かプロかで悩み、両親に「もしドラフトにかからなかったら、大学に行かせてください」と頭を下げたこともあった。高3夏の県大会決勝で敗れた興南の島袋(現中大)からもメールで「一緒に中央に行こう」と誘われたが、初志を貫徹。この日は「巨人・宮国」として大きく成長した姿を見せ、選択が正しかったことを証明した。次回は25日のDeNA戦か26日のロッテ戦(いずれもセルラースタジアム那覇)。甘いマスクに隠された強靱(きょうじん)なハートを武器に、一気に開幕ローテの座をつかみとる。 (臼杵秀之)

 

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