【順天堂大の天野篤教授】バイパス手術の第一人者 慎重タイプ、3浪経験も
■天皇陛下の手術を終え、記者会見する天野篤・順天堂大教授=18日夕、東京都文京区の東大病院
手術終了後の記者会見では、落ち着いた口調で「今、成功と言うのは尚早。治療は続く。陛下が日常のご公務を取り戻すのが成功と言っても良い時期」と慎重な姿勢を保ちつつも「その日が来るのを楽しみにしている」と自信をのぞかせた。
3年浪人して日大医学部に入った“雑草派”。高校時代に父親が心臓弁膜症の手術を受けたことをきっかけに、心臓外科医の道を志した。
バイパス手術の受け入れが多い亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(同県松戸市)などで経験を積み、2002年に順天堂大の教授に就任した。
新東京病院時代に上司だった須磨久善(すま・ひさよし)医師(61)=須磨ハートクリニック院長=は「知識や技術を吸収するスピードが、べらぼうに速かった。いちずさ、熱心さ、責任感も人一倍」と高く評価する。「心臓外科医は強烈な個性の持ち主ばかりで、みな自分が一番と思っているが、その誰もが天野の実力を認めている」とも。
同じ心臓外科医で20年以上の親交がある南淵(なぶち) 明宏(あきひろ)・大崎病院東京ハートセンター長(53)は「石橋をたたいても渡らないぐらい慎重なタイプ」と指摘する。東大病院の手術室で、患者は天皇陛下。普段とは大きく違う環境だが、南淵さんには手術前に「アウェーでやることには慣れています」とメールを寄せていた。
心臓医療をPRし、一人でも多くの患者を診る機会を増やしたいと、テレビの医療番組にも積極的に出演。心臓外科医を描いた映画「チーム・バチスタの栄光」では裏方として、医療場面の演技を指導した。
(2012年2月18日、共同通信)
2012/02/19 17:39