(左上)大震災当日、液状化の被害に遭い、泥が覆い尽くした上野さん宅の庭。その量は、土のう約70袋分に及んだ
(右上)震災後、住宅地内の中庭では、液状化によって地盤が崩落した。土中からは塩ビ管などのゴミが大量に出た
(左下)各住宅を繋ぐ通路は、一帯が噴き出したどす黒い水に浸かった。水が引いた後の通路は、各所に段差が出現
(右下)この通路を水浸しにした液状化被害によって、隣接する住宅地のガスが7日間、上水道が18日間、下水道に至っては45日間も使えなかった
(右上)震災後、住宅地内の中庭では、液状化によって地盤が崩落した。土中からは塩ビ管などのゴミが大量に出た
(左下)各住宅を繋ぐ通路は、一帯が噴き出したどす黒い水に浸かった。水が引いた後の通路は、各所に段差が出現
(右下)この通路を水浸しにした液状化被害によって、隣接する住宅地のガスが7日間、上水道が18日間、下水道に至っては45日間も使えなかった
(1)三井不動産は、東京ディズニーランドを含めた浦安市の埋め立て造成事業を請け負い、本件埋め立て地の地盤状況について熟知していた。
(2)日本住宅公団(現都市再生機構・UR)が入船地区近隣に分譲した住宅地は液状化防止を目的に、サンドコンパクションパイル工法(注1)及びグラベルドレーン工法(注2)による地盤改良を行っていた。三井不動産が適切な地盤調査を行っていれば液状化の危険を認識できた。
(1)、(2)の前提に立ち、三井が適切な地盤調査をもとに地盤改良をしなかったから、地震によって土地が液状化したと主張しているのだ。
本誌は、実際に問題となっている分譲住宅地を訪ね、取材した。
中村さん宅のリビングにゴルフボールを置くと、ボールは本誌記者に向かって音を立てて転がっていった
まず、現在も傾いたままの家に住む、中村雅樹さん(仮名)の家の内部へ入った。中村さんの家のリビングルームには、「下げ振り」と呼ばれる、建築業者が測量に使う垂直方向を測る道具が天井から吊されていた。床面へ近づくに従って、壁から離れる「下げ振り」が、壁の異様な傾きを静かに知らせる。
中村さんの家は、部屋の端から端までで35cmもの高低差があり、一歩足を踏み入れただけで前につんのめりそうになる違和感に包まれていた。中村さんがゴルフボールを床に置くと、コロコロと音を立てて本誌記者の元へと転がってくる。
注1、注2)砂の杭や石の柱を地中に埋め込み、地盤を改良する工法
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