'12/2/20
光市母子殺害、元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却
1999年4月の光市母子殺害事件で殺人などの罪に問われ、最高裁で無期懲役の二審判決を破棄、差し戻し控訴審で死刑とされた元少年の大月孝行被告(30)の差し戻し上告審判決が20日、最高裁第1小法廷であった。金築誠志裁判長は、弁護側の上告を棄却した。大月被告の死刑が確定する。
犯行時少年の死刑が確定すると、故永山則夫元死刑囚による連続4人射殺事件などに続き4例目。83年に示された「永山基準」以降、殺害被害者が2人のケースは初めてとなる。大月被告は犯行時18歳と30日だった。
1月23日に最高裁で開かれた弁論で、弁護側は「(殺意や犯行態様を争った)被告の新供述こそ真実」と死刑回避を訴え、広島高裁に再び審理を差し戻すよう求めていた。
大月被告は99年4月14日、光市のアパートの会社員本村洋さん(35)方で、妻弥生さん=当時(23)=の首を手で絞めて殺害し乱暴。長女夕夏ちゃん=同11カ月=も首をひもで絞めて殺害し、弥生さんの財布を盗んだ。
2000年3月の一審山口地裁判決、02年3月の二審広島高裁判決は更生可能性を重んじ、死刑を回避した。しかし06年6月の最高裁判決は罪責や社会に与えた影響の大きさを重視。「特に酌量すべき事情がない限り、死刑を選択するほかない」として二審判決を破棄、審理を差し戻した。
大月被告は「被害者に甘えたいと思い抱きついた」「(死後の乱暴行為は)復活の儀式だった」などと全面否認に転じたが、08年4月の差し戻し控訴審判決は「虚偽の弁解」と認定。「更生可能性は大きく減殺し、死刑回避の事情を見いだすすべもなくなった」と指弾し、死刑を言い渡した。
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【お断り】光市母子殺害事件の被告は事件当時、未成年だったため、本人を特定できるような報道を禁じる少年法を尊重し、匿名としてきましたが、実名に切り替えます。死刑が確定することで更生、社会復帰に配慮する必要がなくなり、上告審判決に対する訂正申し立てでも量刑が覆ったケースはないためです。