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1月の貿易収支 過去最大の赤字

2月20日 9時3分

1月の貿易収支 過去最大の赤字
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先月の貿易収支は、ヨーロッパの信用不安の拡大による世界経済の減速で鉄鋼や電子部品の輸出が減少した一方、火力発電の燃料となる天然ガスなどの輸入が大幅に増えたことから1兆4750億円の赤字となり、1か月間の赤字額としてはこれまでで最大となりました。

財務省の発表によりますと、まず、先月の輸出は4兆5102億円と、去年の同じ月より9.3%減りました。
これは、ヨーロッパの信用不安の拡大による世界経済の減速や歴史的な円高で、中国やアジア向けなどで鉄鋼や電子部品の輸出が大きく減少したことやヨーロッパ向けの自動車の輸出が減ったことなどによるものです。
一方、輸入は原油価格の高止まりや、火力発電の燃料となる天然ガスの輸入の大幅な増加で9.8%増え、5兆9852億円となりました。
この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆4750億円の赤字でした。
貿易赤字はこれで4か月連続となり、1か月間の赤字額としては、比較が可能な昭和54年以降では、いわゆるリーマンショック後の平成21年1月の9679億円の赤字を超え、最も大きくなりました。
地域別にみますと、中国との間が過去最大の5878億円の赤字になったほか、原油の多くを輸入している中東は9877億円の赤字でした。
また、黒字を稼いできたヨーロッパもこれまでで最も少ない6億円の黒字にとどまりました。
貿易収支は、去年、31年ぶりの赤字を記録しており、そうした傾向が強まっていることを示した形です。
財務省は、「先行きは、原油価格の高止まりなどで輸入の増加傾向は続くとみられ、世界経済の動向が日本の輸出に与える影響を注視していきたい」と話しています。