脂肪分の多い食事をとった際に、特定のタンパク質が脂肪を燃焼させて肥満を防ぐ働きをしているとみられることが、京都大学などのグループの研究で分かり、肥満の予防や治療薬の開発につながると注目されています。
京都大学大学院薬学研究科の辻本豪三教授などの研究グループは、脂肪を感知する機能が知られている「GPR120」と呼ばれるタンパク質を持たないマウスと通常のマウスに脂肪分の高い餌を与えて比較しました。
その結果、タンパク質を持たないマウスは、通常のマウスに比べて体重が平均で15%増加したうえ、体内に蓄積された脂肪の量も2倍になったことが確認されました。
さらに、ヨーロッパの研究機関の協力を得て、フランスやイギリスなどヨーロッパ各国の合わせておよそ2万人の遺伝子を解析したところ、「GPR120」が異常となる遺伝子を持つ人は、1.6倍の確率で肥満になっていることが分かりました。
タンパク質が、脂肪を感知したうえで体内で脂肪を燃やすよう指示する役割を果たしているとみられるということです。
辻本教授は「タンパク質を活性化させる薬を開発すれば、肥満の予防につながる」と話しています。
この研究成果は、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されます。
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