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光市母子殺害 元少年の死刑確定へ

2月20日 15時56分

平成11年、山口県光市で、主婦と幼い娘を殺害した罪に問われた当時18歳の元少年について、最高裁判所は、「何ら落ち度のない被害者の命を奪った残虐で非人間的な犯行で、犯行当時、少年であっても刑事責任はあまりにも重大で、死刑を是認せざるをえない」として上告を退ける判決を言い渡し、死刑が確定することになりました。

平成11年、山口県光市で、主婦の本村弥生さん(当時23)と生後11か月だった娘の夕夏ちゃんが殺害された事件では、当時18歳だった大月(旧姓福田)孝行被告(30)が殺人などの罪に問われました。
1審と2審は無期懲役を言い渡しましたが、最高裁判所は、「特別な事情がなければ死刑にするほかない」として審理のやり直しを命じ、広島高等裁判所は4年前、死刑を言い渡しました。
20日の判決で、最高裁判所第1小法廷の金築誠志裁判長は、「何ら落ち度のない被害者の命を奪った冷酷、残虐で非人間的な犯行で、遺族の処罰感情はしゅん烈を極めている」と指摘しました。
そのうえで、「被告が犯行当時少年で更生の可能性もないとは言えないことなど、酌むべき事情を十分考慮しても刑事責任はあまりにも重大で、死刑を是認せざるをえない」と述べ、被告側の上告を退けました。
これによって、死刑が確定することになりました。
被告は犯行当時、18歳と1か月で、最高裁に記録が残っている昭和41年以降、死刑が確定する年齢としては最も低くなります。

NHKは、少年事件について、立ち直りを重視する少年法の趣旨に沿って、原則、匿名で報道しています。
今回の事件が、主婦と幼い子どもが殺害される凶悪で重大な犯罪で社会の関心が高いことや、判決で元少年の死刑が確定することになり、社会復帰して更生する可能性が事実上なくなったと考えられることなどから実名で報道しました。