夏はやっぱりバーベキュー。海や山で、みんなでわいわい楽しむ人が多いのではないでしょうか。アメリカでは、最近何かと話題のソーラーシステムを使ったバーベキューグリルが開発されたそうです。今までにもソーラーエネルギーを使った調理器はあるのですが、最新式はなんと夜でも使用できるのだとか。さらに社会的な問題も改善できるようにと考えられたものなんです。
アメリカでは特に、バーベキューが盛んです。
夏になると庭にグリルが置かれ、家族や友人を招いて次々にステーキやソーセージが焼かれます。
とても楽しい一方、バーベキューに使う木炭や木材チップ、プロパンから出るCO2排出量は、少なからず空気に悪影響を与えています。
そこでクリーンなソーラーパワーを使ったグリルが考案されました。
過去にもソーラーバーベキューの開発はある程度まで進んでいたものの、陽が沈んでしまった後までバーベキューを続けるのは無理でした。
しかし、アメリカ・マサチューセッツ工科大学のデーヴイッド・ウイルソン博士は、それを可能にしたのです。
博士の名をつけられた「ウイルソン・ソーラーグリル」は、夜でもバーベキューを楽しめるというもの。
この技術の特徴は、ソーラーエネルギーを貯め、25時間230度以上の熱でバーベキューができるという点です。
これは「フレスネルレンズ」と呼ばれる特別のレンズをとおして、太陽エネルギーを硝酸リチウムのコンテナに貯めるのです。
そしてこのコンテナがバッテリーとなって、25時間バーベキューができるような熱を出すという仕組みになっています。
博士の話では、アウトドア向け以外にも「ウイルソン・ソーラーグリル」を開発し始めた理由があるようです。
『ソーラークッカーはいくつかありますが、エネルギーを貯めるというシステムを持ったものはなかなかありません。私はナイジェリアにいた時にこの技術を思いついたのです。ナイジェリアでは燃料となる木材がなければ料理ができず、そこには衛生上の問題や、薪を探しに行った女性が事件に巻き込まれるということが何件かありました。そういった社会的な問題を改善することが重要だと考え、このソーラーグリルの開発に取り組みました』
確かにソーラーパワーなら、インフラの整っていない地域でとても重宝するでしょうし、それが太陽が出ていない夜でも使えるとなれば、発展途上国の人たちの生活も大きく変わるのではないでしょうか。
現在、博士の生徒達が試作品のテストをしています。
最終的には、「ウイルソン・ソーラーグリル」を商品化し、アメリカ市場向けと発展途上国市場向けに発売したいと考えているそうです。
.
<引用元>inhabitat
.