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40年超原発、運転延長の判断注視 山口治太郎・美浜町長

(2012年2月20日午前7時49分)

拡大 「運転延長の技術的基準を示してほしい」と語る山口治太郎町長=美浜町役場 「運転延長の技術的基準を示してほしい」と語る山口治太郎町長=美浜町役場


 原発の運転期間を原則40年に制限する原子炉等規制法改正案が国会に提出されている。運転35〜41年の関西電力美浜原発3基を抱える美浜町の山口治太郎町長は、例外規定による運転延長の基準を注視する姿勢で、現行の高経年化技術評価などからどう変わるのか「大いに関心を持っている」と説明。今後の電源構成でも原発は重要として、国のエネルギー政策見直しでは「リプレース(置き換え)が大きな選択肢となる」と強調した。(細川善弘)

 −県内で初の全原発停止となる。

 「核燃料税の減収や雇用の問題で地域への影響はあるが、それだけでなく国全体(の電力供給)に影響がある。日本全体の産業にとっての問題であり、それが地域にも波及してくるととらえるべきだ」

 −再稼働の道筋をどうみているか。

 「県と歩調を合わせ、暫定的な安全基準を国に要請してきた。近々に示されるという情報もある。県が技術的な判断をして『了』とする基準になることをまずは希望している。基準を受け、地元としてもできるだけ早く判断すべきだろう。ストレステスト(安全評価)はわれわれの判断基準として大きくないが、国が条件としているため、原子力安全委員会も速やかに判断してほしい」

 「美浜原発周辺の防災道路はバイパス化に向け県が新年度から詳細な調査に入ると聞いている。地元として再稼働に同意する条件だったが、クリアされてきた」

 −原発の運転年数はどうあるべきか。

 「細野豪志原発事故担当相は40年超の運転延長の基準を政治的でなく技術的に判断するとしている。美浜原発も基準に沿って確認し、動かさない方がいいとなれば、安全のために受け入れざるを得ない。ハードルがどう高くなるか分からないが、町には技術的な知見がないので納得していかないといけない。その上で新たな対策をして運転延長する価値があるかどうかは事業者の判断だ」

 −原則40年運転が厳格に適用されれば、美浜原発は数年内にすべて廃炉になる。

 「廃炉後の地域経済の在り方も念頭に置かないといけないのかもしれないが、今のところそこまで考えてはいない。美浜1号機のリプレースが実現するとしても(廃炉から新設まで)間が空くという状況は念頭に置いている。腰を落ち着けて考える必要がある」
 −関電は美浜1号機のリプレースの自主調査を中断している。対応は。

 「政府のエネルギー・環境会議が(電源構成の)ベストミックスの方向性を出すまでは再開できないとしており、理解しないといけない。それまでは『原発は必要』と訴え続ける。全国でも年数がたって廃炉になっていく炉がある中で、リプレースという道は可能性の大きい選択肢だ」


 

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