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飯舘村長 NYで講演

2月19日 17時46分

飯舘村長 NYで講演
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原発事故のため村全域が計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村の菅野典雄村長が、アメリカ、ニューヨークで講演し、真心などを意味する地元の方言「までい」の気持ちを紹介したうえで「故郷を取り戻すため全力を尽くしたい」と復興への決意を示しました。

ニューヨークで18日に開かれた講演会は、40年近く日米の文化交流を行っている市民団体が主催したもので、地元の市民や現地で暮らす日本人、およそ400人が集まりました。
飯舘村の菅野村長は、まず、「震災以来、日本、そして福島に温かな支援をしていただいたアメリカの皆様に、心より感謝いたします」と述べました。そのうえで、地元の方言で真心などを意味する「までい」について紹介し、人口6000人の飯舘村は、心が交わる「までい」の生活を目指してきたと説明しました。
現在の状況について、菅野村長は、原発事故の影響で多くの家族がばらばらになってしまったことを話し、心が痛むものの、「愚痴ばかりでは前進しない。必ず故郷を取り戻すため、原発災害と全力で向き合うつもりです」と復興への決意を示しました。
菅野村長は、締めくくりに「今回の原発事故で、世界の皆さんの今後の暮らしの在り方も問われていると考えていただければ幸いです」と呼びかけ、会場からは大きな拍手が上がりました。
講演を聴いた人たちは「心が張り裂けそうでした」とか、「この災害によって苦しむ日本の人々ととても近くなった気がします」などと話していました。
講演を終えた菅野村長は「拍手を聞いて、気持ちが少し伝わったかなと思いました。しっかりと前を向くと宣言したので、それは自分の努力目標にもなりそうです」と話していました。
菅野村長は、21日、ワシントンでも講演する予定です。