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事件
極刑求め「5度目」の判決…被害者遺族、闘いの13年 光市母子殺害事件
20日に5度目となる判決を迎える光市母子殺害事件。異例の経過をたどった公判は、被害者遺族による司法の壁との闘いの場でもあった。妻と娘を失った本村洋さん(35)は、法廷の内外で元少年への厳罰とともに、被害者が刑事司法から疎外されている現状を訴え続けた。その声は世論を動かし、被害者支援制度の実現にもつながった。
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事件は平成11年4月14日発生した。残業して自宅に戻った本村さんは、妻の弥生さんの変わり果てた姿を発見。長女の夕夏ちゃんは、押し入れの天袋の中で遺体で見つかった。その4日後、近くに住んでいた元少年が逮捕された。
11年8月に山口地裁で公判が始まり、凄(せい)惨(さん)な犯行状況が次々と明らかになった。弥生さんは殺害後に乱暴され、生後間もない夕夏ちゃんは床にたたきつけられた上、ひもで首を絞めて殺害されていた。
だが、本村さんを苦しめたのはそれだけではなかった。被害者や遺族は、傍聴席で、被告の主張に耳を傾けるしかないという現状。妻子の遺影を持ち込もうとして職員に制され、「ふざけるな!」と声を荒らげたこともあった。
そんな中、仕事上の逆恨みで妻を殺害された岡村勲弁護士と出会い、「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の活動に参加。被害者の権利が保障されていない現状を訴えるため、全国を講演などで飛び回った。
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