名古屋−福岡大 前半、相手陣内に攻め込む闘莉王(中)=実相寺サッカー競技場で
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名古屋グランパスは18日、大分県別府市の実相寺サッカー場で福岡大と練習試合を行い、7−1(前半4−0)で勝った。主力が出場した前半には新加入のDFダニエルを加えた3バックを実戦で初テスト。チームリーダーのDF田中マルクス闘莉王(30)は、積極的な攻撃参加ができると新システムを歓迎した。
システムが変わろうと、この男の存在感は不変。3バックの中央からチーム全体ににらみを利かせたのが闘莉王だ。激しいタックルでピンチの芽をつみ、オーバーラップでもチャンスを演出した。「(3バックは)面白いね。きょうは攻撃よりボールを回すことを優先したけど、上がりやすくはなるとは思う」と手応えを口にした。
DFとしては規格外、J1通算51得点の攻撃力を誇る。15日の大分高戦でも豪快ヘッドでゴールを挙げた。3バックでトリオを組むダニエルと増川は身体能力抜群で守備力が高い。状況に応じて闘莉王の攻撃参加も可能で、そうなれば攻撃の迫力は増す。「誰が上がってもいい。オレだっていいし、増川だっていいしね」とDF陣での波状攻撃を宣言した。
試合中はチームメートを盛んに叱咤(しった)した。前日初めて日本代表に選ばれたMF磯村には「(パスコースに)顔を出せ、遅い」と猛ゲキを飛ばしながらも、「イソ(磯村)はよくなっているからね」。今キャンプでは誰よりも声を出して練習を盛り上げている。「気持ちよく練習できるような雰囲気をつくりたいんだ」と責任感をにじませた。
キャンプ前はブラジル・ボタフォゴからのオファーに悩んでいたが、それはもう過去の話。「名古屋は優勝しなければならないチームなんだ」と闘莉王。3バックのキーマンとして、チームリーダーとして。闘将がグランパスを引っ張る。 (木村尚公)
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