ダル狂騒曲カウントダウン　取材申請１７５人

　ダルビッシュ“狂騒曲”がカウントダウンに入った。レンジャーズのバッテリー陣は２３日、アリゾナ州サプライズでキャンプインするが、何と約１７５人のメディアが取材申請をしていることが分かった。１７日の地元紙フォートワース・スターテレグラム紙（電子版）などが報じた。レ軍はメジャー１年目のダルビッシュ有投手（２５）に殺到する取材対応に向け、キャンプのメディア用施設も拡充する方針で、全米の注目が一身に注がれる中での球春スタートとなる。

　途方もない衆人環視のキャンプインとなりそうだ。地元紙フォートワース・スターテレグラムによれば、「レ軍は過去最多のメディア取材を予想している。これまでに約１７５人が取材申請した。これも、ダルビッシュが故郷でロックスター並みのステータスを持つがゆえだ」と報道。さらに「現在はキャンプ地に６人しかいない日本のメディアは、少なくとも１２５人に膨れ上がる見込みだ」とし、想定外の“マスコミ警報”に、レ軍のワシントン監督は「彼にチームを引っ張っていってほしいとは思っていない。とにかくリラックスして、自分自身でいてほしい」と異例のコメントを出した。

　また、１７日の米放送局ＦＯＸスポーツ（電子版）は「報道陣の混雑は、すごいことになるだろう。レ軍はメディアの仕事部屋と席を増設し、さらにメディア用の入り口と駐車場を新設する予定だ」と報じた。

　当のダルビッシュは１０日に米国入りし、現在はロサンゼルスで自主トレ中。バッテリー陣の集合日は２２日だが、キャンプ地に入る“Ｘデー”は公になっていない。キャンプ地の玄関となる空港では早くも日本メディアが張り番を始めたという情報もある。

　思い起こせば、松坂のレッドソックス１年目、キャンプ初日の２００７年２月１８日も、２５０人以上も詰め掛けた報道陣が押し合いへし合いで大混乱。撮影位置をめぐっては、より好ポジションを得ようとしたカメラマン同士の怒号も飛び交った。野茂、イチローのメジャー１年目も、押し寄せた日本メディアと、動きが取れない選手たちの間で“摩擦”が生まれ、取材活動がギクシャクした経緯がある。ダルビッシュも、これから始まる空前の報道合戦で神経をすり減らすことがなければいいが…。